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【MOTHER3】感想

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任天堂より2006年4月20日に発売されたゲームボーイアドバンス用RPGです。キャッチコピーの「奇妙で、おもしろい。そして、せつない。」は有名だと思います。
自分はMOTHER3は発売年に購入してクリアしたっきりでしたが、先日switchで配信されたことを契機に再プレイをしました。約18年振りです。

switch版配信を記念して先日糸井重里氏のインタビューがほぼ日刊イトイ新聞にて投稿されました。ファン必見の内容となっています。




追記よりネタバレを踏まえた感想になります。

















戦闘面



小学生の頃はやたらと苦戦した覚えがありますが、大人になってから挑戦してみるとあっさりクリアできました。
というのも幻装備のドロップ作業をしてたせいでレベリングが過剰気味だったというのもありましたが、昔は補助技を一切使っていなかったからというのが大きかったです。MOTHER3の補助技、重要すぎです。

こわいおめん


このゲームは攻撃と防御のバフとデバフが一通り存在するのですが、なんとそれぞれに効果時間が設定されていない上に、三回まで重ね掛けすることができます。
そして、バフはドラクエで言うところの「いてつくはどう」のような解除行動をされることはないのでかけ放題であり、デバフはボス相手でも必ず効きます。
子供の頃は特に不思議に思わなかったのですが、他のRPGを遊んだ後では異常なことがわかりました。

中盤から習得できる味方全体の被ダメージを半分に抑えることのできるPSI、シールドΩとサイコシールドΩももちろん強力です。
こちらはシールド解除行動のシールドキラーでメタられることはありますが、やってくるのは一部の限られた敵のみです(かめんのおとこだけ?)。
このゲームのボス戦はシールドやディフェンスアップの効かない固定ダメージ攻撃を撃たれることがめちゃくちゃ多いので、これでも完封できるというわけではありません。
それでもシールドもサイコシールドも効かない敵なんてほぼ存在しないので、とりあえずかけておくだけで大幅に有利になれるPSIだと思いました。

何よりもオフェンスアップとディフェンスダウンに関してはサウンドバトルシステムによって効果が何倍にも掛け算されていくので、クマトラのような魔法使い枠のキャラの通常攻撃でも大きなダメージソースになることができます。
まあそのサウンドバトルシステムが終盤のボス戦となると高難易度すぎて自分はまともにコンボできなかったのですが、4コンボするだけでも総ダメージ量が1.5倍になる程には効果量が大きいので、自分ぐらい下手な人でも高いダメージが出せました。
4対1の戦闘なのにもかかわらず複数回行動してくるボスがヨクバとかめんのおとこだけなので、リソースと戦力が充実してくる7章以降では腰を据えて立ち回ればほとんど苦戦はしませんでした。

また、自分は今回クリアした後でようやく知ったのですが効きやすさの大小はあるもののボスのほとんどをなみだ状態にできるという隠された仕様がありました。
なみだ状態は一度かかってしまうと自然治癒することが一切ないので、大幅なダメージカットを狙うことができます。


ちなみに当時の自分が詰みかけたボス戦は、7章の「てっきゅうメカゴリラ」と「かめんのおとこ」です。
てっきゅうメカゴリラは相手がショートするトリガーがHPの減りによるものだと(当時見ていた攻略サイトのせいで)誤解してしまい、PKサンダーを連発してしまっていたので鬼難易度と化していました。今でもどうやって倒せたか覚えていません。
かめんのおとこは純粋に本作最強のボスであり、強すぎて無理でした。今回はあっさり倒せてしまったので補助PSIの重要性を何よりも実感した戦闘でした。


改めて振り返ってみると最終パーティメンバーは個性的でしたね。
MOTHER2は同年代の少年少女達の冒険でしたが、おっちゃんや愛犬が居る今作の凸凹感も面白かったです。

リュカはシールドΩ・サイコシールドΩ・オフェンスアップΩ・ディフェンスアップΩを唯一習得し、上記に挙げたバフ系PSIを唱える役割を一身に担っています。
ライフアップΩはもはや反則気味の効果とコスパを誇る回復PSIであり、7章のかめんのおとこ戦や8章のミラクルヨクバ戦はこのPSIを習得しているかどうかで難易度が数段階変化すると思います。
自然と戦闘では回復や味方補助に追われることが多く、勇者というよりは僧侶のような立ち回りをさせられる印象です。

クマトラは典型的な魔法使い枠のキャラです。バフ系のPSIを習得するリュカとは逆で、こちらはデバフ系のPSIを中心に習得します。
攻撃系PSIは耐性を持っている敵が多くてややこしいものの、相手を選んで使えば法外気味なダメージを出してくれるので、序盤から終盤までメインアタッカーを張ってくれます。
PKスターストームは今改めて見るとコスパも火力も相当優秀なPSIだと思いました。PKファイヤーと状態異常系PSIの使い勝手が良く、やはりバフとデバフを使わない雑魚戦でより輝くタイプのキャラだったと思います。

ダスターは装備可能防具も相まってパラメータが優秀であり、無消費で使えるドロボーグッズが有難いです。
ボス戦でこわいおめんとくすぐりぼうを擦り続け、雑魚戦ではサイレンクワガタをひたすらに鳴らすのはお決まりだと思います。
デバフの価値の高さは前述の通りであり、最終的には相手のパラメータを40%も下げてくれます。仮にデバフがボスには効かない仕様だったらダスターが通常攻撃をするだけの取り柄のない男になってしまっていたと思うので、もはやデバフが普通に通るのは彼の為の仕様だったのかもしれません。

ボニーは特技が無いに等しいのでスピードぐらいしか取り柄がなく、かと言ってアイテム役にしようとすると低確率で対象が自分になってしまうというアホ仕様を抱えた困ったちゃんです。
正直他の仲間と比べると一段階落ちる性能をしていると思いますが、ドラムロール式の戦闘ではリアルタイムで素早く回復することも要求されるので、スピードが高いというだけでも大きな意味があると思います。
そしてこのゲームはバフとデバフのおかげで通常攻撃の火力がめちゃくちゃ膨れ上がるので、オフェンスがそれなりに伸びるボニーなら適当に殴ってるだけでもゴリゴリ削ってくれます。



シナリオ



本作が問題作と評される所以です。今見ると攻めまくったシナリオだったと思います。
開幕からして主人公の母親が事故死してしまうという急展開であり、ラスボス戦は数年前に失踪して生き別れになった実の兄との対決になるという、最初から最後まで「家族」を全面に押し出した鬱ゲーと呼ばれしシナリオでした。

歴代のMOTHERシリーズでも1におけるクイーンマリーやイヴ、2におけるギーグなど、そのような重く切ないドラマはないこともなかったです。
しかし、そのショッキングな描写の量が1や2と比にならない程に多く、何よりも主人公達が当事者か否かという点で意味合いが全く違います。
本作の最終決戦は主人公以外のパーティメンバーが強制的に戦闘不能になり、主人公・兄・母・父の四人だけの対話が行われるという、完全なるイベント戦です。
大冒険活劇ものであるMOTHER2の続編ということで真っ直ぐなRPGを期待されていたこともあり、ついていけない人が少なからずいたことも頷けました。

他に気になった点でいうと、シナリオにおける重大な真実が最終盤で唐突にテキストのみで語られるというのも中々やっていますよね。
ノーウェア島は滅びた世界の中で唯一残った場所だった。住民全員が記憶をリセットして役割を演じていた。……んなことわかるかー!!
何よりも衝撃的な真相が次々と明かされるのにも関わらず、それに対してパーティメンバーの反応が見られることが一切ありませんでした。
特にダスターとクマトラに関しては主従関係が虚構だと言われたのだから、何かしらのレスポンスは欲しかったです。

また、結末もかなりぼかされていました。
最後に針を抜いた後に何が起こったか具体的に描写されず、言ってしまえば「何が起こったのかご想像にお任せします」という結末です。当初の構想では更に曖昧に表現するつもりだったようで、これでも手を加えられた後らしいです。
運命を左右するやみのドラゴンなるものがマジプシーとリダの話に登場するのみで、本当に存在しているのかもわからない程に漠然とした存在だったということもあり、最後に何が起こったのかは明言して欲しかったと思います。


それでも当時プレイした時は死ぬほど感動したゲームだったんですよね。それはもう。
どのくらい感動していたかというと、小中学生の頃「黒歴史ノートの創作のオチを全てかめんのおとこ戦っぽくしていた」という痛々しい陰エピソードがあります。この話は内緒です。
そうやって少年時代を狂わせてしまう程に、子供の頃プレイして最も感動したゲームがこのMOTHER3。本当に大好きなゲームだったと思います。

そこまで魅了された理由はラストバトルであるかめんのおとこ戦のRPGらしからぬ戦闘でした。
相手は死に別れたと思っていた主人公の兄。ただ耐えるだけのラスボス戦。切ない戦闘BGM。
そして、回避のできない悲劇的な結末。
自分がこれまでにやってきた子供向けRPGは全て勧善懲悪の「盛り上がる戦闘」だったこともあり、その異質さには大きく心を揺さぶられました。

かめんのおとこ戦

この戦闘で頻繁に流れる『MOTHER3 愛のテーマ』は幼心に印象的なピアノBGMでした。
どのくらい好きだったかというと、スマブラXではこの曲を取る為だけにCD回収に精を出し、作ったステージのBGMも全てこの曲にしていました。

自分が生きていて最も大切にしたいものは家族です。
こういう人生観だからこそMOTHER3にここまで感動できたのか、MOTHER3の影響でこのような人生観になったのか、どちらなのかはわかりません。
どちらにせよ自分の人生において大切な作品であることは揺ぎ無いことです。


イベントの量は1や2と比べると大幅に増加しており、煩わしさを感じる反面世界観に奥行きが増しているという見方をすることもできます。
例えばタツマイリ村のNPC全員に名前が振られていて、シナリオの経過毎に細かくテキストが変わるというのは面白かったですね。
シアワセのハコの影響の大小はピンキリであり、全く興味を示さずにラストダンジョンに駆けつけてくれる住民もいれば、完全に洗脳されてブタマスクになってしまった住民もいました。彼らの半生を追っていくのもまたMOTHER3の楽しみ方の一つだと思います。

終盤に関しては、唐突に語られる裏設定やご想像にお任せしますENDなどのスッキリしないことも数多くありましたが、結局最後には家族のエピソードが全部持っていく物語だったことを考えると、些事ではあるのかもしれません。
一応結末に関しては、やはり「世界は滅んでしまったもののドラゴンの力によって住民の命は守られ、これから人々が力を合わせて一から創世していく」というようなラストだったと思いました。
END?が表示されていた場所は、世界が再構築される直前に全員が居合わせた不思議な空間。プレイヤーの存在を認識していることからして、死後の世界には近いけれど死後の世界ではない場所だろうと思います。

mother3end.png

最後に表示されたMOTHER3のタイトルロゴは、機械と木が混じった「気持ち悪い」ものから木だけのロゴになり、地球も本来の姿を取り戻しました。
これは「一度滅びてしまった世界をこうやって一からやり直していく」というメッセージだったことが糸井重里氏からは明かされました。








これは与太話なのですが、自分がMOTHER3を購入した理由の一つとして、MOTHER1と2をプレイしたからというのもあるのですが、「とある人のプレイ日記をネットで見て興味が沸いたから」というのがありました。

とても読みやすい文章で詳しく書かれおり、楽しんでプレイしていたのも伝わってきた、素晴らしいプレイ日記でした。
要は自分はオチも内容も全て知った状態でプレイしたので全く初見ではなかったのですが、その予習のおかげでMOTHER3のシナリオにポカンとすることがなく、ゲームを理解して楽しむことができたのかもしれません。
自分が一度クリアした後で二周目としてまた読み返すぐらいには、その人のプレイ日記が好きでした。

どうやらそのホームページのサーバーレンタルサービスは現在終了してしまっているようで、今では見ることができません。普通に18年も昔のことだったので仕方ないですね。
しかし、こうして自分がゲームの感想を書く行為を長年続けていることは、その人の影響もあるのかもしれません。ありがとう露草さん。


仮にMOTHER3を今プレイしていたら「シナリオが急展開すぎるしキャラが立ってない」「最後がお涙頂戴すぎる」「エピローグが余韻も何もない」等と難癖をつけて憤慨していたかもしれません。
正直シナリオメインのゲームなのでRPGをやりたいと言っている人におすすめできるようなゲームではなく、そのシナリオもかなり人を選ぶというものなので、やはり人に自信を持って勧めるのは難しいゲームです。
某アットウィキでも本作の扱いは幾度も議論の種になったらしく、発売当時は賛否両論を巻き起こした問題作だったようです。実際見る度に判定が変わっていた覚えがあります。


自分としても振り返ってみると上記のように問題点が目につきましたが、やはりこの過去作とは違った方向性こそがMOTHER3の良さだと思います。

MOTHERシリーズは糸井重里氏の「奇妙な」テキストも魅力の一端になっており、文字数の多い本作はそれが存分に引き出されていると思います。
世界を救う冒険をしているのにも関わらず出会う登場人物やモンスターが皆コミカルであり、1や2以上に奇想天外なネタが随所に仕込まれていて、プレイしていて思わず笑ってしまうほどに「おもしろい」ものでした。
そして、主題となるのは歴代ではなかった「せつない」部分。ラストバトルにその全てが込められていました。



一本のゲームの中に、「ややこしさ」が全て詰まっている。このドット絵で表現された温かな世界の中に入っていました。

自分にとっては紛れもなくMOTHERシリーズ最高のタイトルであり、たくさんの思い出の詰まったゲームであることを今回再認識できました。

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