fc2ブログ

【Magical Charming!】感想

Magical Charming!

2013年5月31日にLump of Sugarより発売された、18禁恋愛アドベンチャーゲームです。
「クロノカード」という収集要素を前面に押し出したゲームシステムが特徴的な作品であり、本作の制作陣は後に『アメイジング・グレイス -What color is your attribute?-』を手掛けることになります。

こちらも事前情報はほとんど見ないでジャケ買いしたゲームだったのですが、とても面白かったです。キャラゲーとしてもシナリオゲーとしても。
FANZAのまとめ買いセールにしばしば参加しているブランドであり、そちらで1000円以内で購入できるのでおすすめです。

追記よりネタバレを踏まえた感想になります。






























姫百合ルート



告白日の解法が「攻めに行く」と「守りに入る」で切り口が二つあるのは特徴的でした。
本作のシステムを利用したお手本のような恋愛シミュレーションルートであり、律の段取りズムに適っていたルートだったと思います。
そして、お互いの想いとそれを繋ぐ絆さえあれば、過ごした期間の短さなんて些細なことであると。ステディルートにおいてプロポーズする際には段取りズムが変化を見せていたのも面白かったです。

ステディルートでの二人の姿は甘々バカップル。二人の相性が良すぎるので障害は特に発生せず、他のキャラクターもほとんど登場しないこともあり、終始イッチャイッチャしていました。
ステディルートは一応他のゲームで言うところの個別ルートにあたるとは思うのですが、突入手段が特殊でスタッフロールが流れた後に見るものでもあるので、ストーリーとしてはアフターに近い内容となっていたと思います。
やはり律の野望、ひいては共通ルートのゴールとしては「彼女を作ること」ではあったので、付き合うまでに重きを置いていました。もちろんステディルートを見なければTRUEには進めないので、オマケとされているわけではないと思いますが。


一周目の印象としては他ヒロインのルートと比べるとテキストの遊びが少ないことや、姫百合先輩があまりにも完璧人間すぎてドラマ性が薄いこと、ステディルートが山も谷もないこと……などから淡泊なルートだと思っていたのですが、クロノカード回収目的の二周目でその印象も一変しました。
常に人の期待に応えながら生きてきた彼女。その生き方の限界値は留まることを知らず、好感度初期状態なのにも関わらず頼めば下着を見せてくれるし、唇も触らせてくれるし、奴隷にもしてくれました。

magica3.jpg

実はハンバーガーが好きなんてギャップは序の口でした。こんなに面白い女だったとは思わなかったです。つくづくこういったアホ差分は見なきゃ損なゲームだと思います。
オリエッタルートの鬼ごっこで泣き落としで諷歌を釣り出した辺りとか普通にやってることやばすぎますからね。本当に期待に応えることが第一の性格なんだなぁと思いました。


姫百合先輩の秘密のひとつであった最強魔法『神魔討撃』。見るからに無限に風呂敷の広がりそうな能力なのできっとステディルートでのキーになるのかと思いきや、全くそんなことはありませんでした。
秋音の絶対王言と違って別ルートでも話題すら浮上しないので、このまま謎の設定として忘れ去られていく……なんてことはなく、この伏線がほかでもないTRUEルートで満を持して回収されるのは最高でしたね。
一度律を傷付けてしまった能力を、今度は彼を守る為に使う。最強の敵相手に最強の能力の封印を解き放ち、単騎で立ち向かう。かっこよすぎないか?



諷歌ルート



CV遥そらで妹キャラでロリ巨乳なので人によっては最強だと思います。
ルートによってはツッコミ役だったりボケ役だったりでキャラクターが安定しない主人公ですが、このルートでは周囲をドン引きさせるシスコン具合を発揮します。妹相手におっぱいの話ばかりをしてセクハラしまくってるのは流石でした。

そういった笑いに溢れたノリで進行するほか、おりんちゃんと仲良くなったきっかけ等のこのルートでしか明かされない秘密も多く盛り込まれています。
山場となるのは魔力が失われた諷歌の使い魔とのお別れ。そして諷歌の封印していた感情の吐露と、それに対して「兄」として向き合うか、「男」として向き合うかという選択。
総じて笑いあり涙ありのルートでドラマ性に溢れていました。諷歌のキャラも相まって中だるみがしなかったです。

ステディルートはやはり他ヒロインと同様にイチャイチャするだけ……ではなく、エロサイトを見ているところを兄に見つかったり、エロ漫画を描いているところを兄に見つかるなど、エロエロなハプニングもありました、
諷歌が卒業となって泣きながら抱き合うオリエッタと諷歌の姿は印象的でしたね。諷歌は姫百合との先輩後輩関係が強調されがちでしたが、この二人の友情も見所でした。

magica7.jpg

妹ルート特有のウエディングドレスCG。



秋音ルート



女声でおっぱいもある秋音は誰がどう見ても女子なので、人を騙せるわけがありません。まあ女装もののエロゲだって山ほどあるぐらいなんだからフィクション作品にこういった突っ込みは野暮か……と思っていたら、ちゃっかり伏線になっていました。
それにしても二度に渡って男子の振りをしていた理由が生活上やむを得ない事情などではなく、ただ律に近付きたかったからだったというのも一途すぎると思いました。

ちなみに秋音が女子制服に着替えた後で他ルートに進もうとすると差分が読めるのも細かい仕様だと思いました。
一回目のオリエッタイベントのテキストが減るという細かい差分だけでなく、TRUEへ進もうとすると怒られてフラグをへし折られるという面白いものもありました。

秋音の能力は『絶対王言』という、姫百合先輩の『神魔討撃』と並ぶ危険な魔法でした。
あちらが肉体へ影響を与える最強魔法ならば、こちらは精神へ影響を与える最強魔法でしょう。
諷歌は精霊や召喚獣の在り方を変えた魔法使い、オリエッタは現存する魔法使いの中では最強の存在なので、つくづく律の周囲の人物は超次元連中揃いでした。最初で最後の男性魔法使いが誕生した理由がここにありました。


ステディルートの内容は姫百合先輩ルートと同じく、甘々バカップルイチャイチャライフ。
しかし、恋人でありながら友達でもある、恋人であることを意識しすぎないという関係。これは近くもあり遠くもあった距離から結ばれた、律と秋音ならではの関係性でとても良かったです。
恋人になるための最後の選択肢が「友達」であることも二人の関係を示していました。

magica4.jpg



オリエッタルート



オリエッタはボケ役に回ることの少ない他ヒロインとは違ってボケボケのキャラクターなので、諷歌ルートをも超えるギャグテイストに溢れるルートとなりました。
普通に二回目のイベントから乳首の話を擦り出すのでブラックジョーク全開でした。終盤におけるシャロンや秋音とのデートの練習はただのコントです。
明らかにはっちゃけ方がアメグレアフターのそれだったので、担当している人がわかりやすかったです。

magica2.jpg

他のルートと比べると一発アウトの選択肢が多かったです。
特に模擬デートの最後の「ほほ」「くちびる」のどちらに口づけをするかという選択で引っかかった人は多いのではないでしょうか。
別の美少女ゲームではここで本物のキスをするような展開もしばしば見かけますが、それがこのゲームでは許されないというのは、それだけ主人公及び本作が恋愛観としての段取りを重視していることが伺えました。ENDによってはレイプしてでき婚とかしてる癖にね。


山場となるのは律からオリエッタへの告白。そしてオリエッタから律への告白。
二人は自分から告白したし相手からも告白されたという、異例の段取りを踏まえて結ばれました。

magica9.jpg

TRUEへ繋がる匂わせが圧倒的に多かったり、夜の鬼ごっこ等の大掛かりなサブイベントもあり、やはりメインヒロインのルートであることを感じさせられました。
なんにせよ繰り返しますが、最大の魅力は律とオリエッタの間でかわされ続けるアホすぎる漫才。くだらなすぎて大好きなノリでした。



TRUEルート



普通ノベルゲームのTRUEといったらタイトル画面に新たな項目が追加される、それがなくとも適当に「はじめから」を押すだけでわかりやすいフラグが追加されている等のサービスがつきものですが、このゲームのTRUEはめちゃめちゃわかりにくいところから分岐します。
それは三回目のオリエッタイベントで脱衣所を選択後、新たな選択肢が追加されているというもの。もちろんノーヒントでした。

自分はクロノカードが裏返しになっているポイントで全てセーブデータを作るようにしていたので幸運にも自力で発見できましたが、これは見つけられずに詰む人も多数いると思います。下手したらTRUEの存在自体に気付かない人もいるのではないでしょうか。
悪い見方をすれば説明不足ではあるのですが、世界の真相が紐解かれるチャンスがたったひとつの細い枝にだけあるというのは趣があって良いと思いました。


冬茜トムさんが関わっている時点で一大トリックが仕込まれている覚悟はしていましたが、本作は体験版の内容が真のプロローグだったというまさかの仕掛けがありました。

このゲームは体験版では顕著でしたが、メッセージウィンドウが二行であり地の文が必要最低限に留められているという、テンポ重視のテキストが特徴的です。
必然的に背景や状況説明が少なくされているので、製品版において律が使い魔と明言されなかった辺りは「文章の抜けかな?」なんて思っていました。ちゃっかりシステム設定では読むことのできるテキストですからね。
しかし、どうやらそういった描写が希薄な部分も含めて伏線だったようです。オリエッタルートのBADエンドで「昔から使い魔だった気がする」等の台詞が出てきたことで、ようやく確信を持てました。

magica10.png

一応体験版の内容がTRUEに関わるよーというネタバレは踏んでいました。というか踏んでいたからこそわざわざ体験版から始めました。
このゲームを布教する際にネタバレを最低限にしつつ体験版からプレイしてもらうにはどう伝えるのが正解なのでしょうかね。


TRUEの山場はトリックが明かされる場面に留まりませんでした。
世界と戦う覚悟を決めた五人には、正体を現した先生たちとの団体戦が待っていました。

戦闘BGM名『Crossing Desire』が示す通り、原初の使い魔たる彼らにも願いがありました。
真相を聞いた後では律たちの計画していた真夏の旋律は成功するはずがなく、イスタリカの気持ちを踏み躙っていた行為でもありました。それでもシャロンとランドルフが「時間稼ぎ」に留まり、メアリーにしてもあえて手加減をしてくれていたというのは、イスタリカが人柱になるこの円環のシステムに納得ができていなかったということでしょうか。
そりゃ自分達ですらご主人様のことを忘れながら生活させられていたわけですからね。それにしても使い魔としての本能が枷になってるのにも関わらずこうした行動に出られるのは、一周周って主人想いにもほどがありました。

各ヒロインが代表者として1vs1の戦いを挑んで行くのは、バトル漫画のような展開で熱かったですね。
どの戦闘もただ読んでいくだけというわけにはいかず、プレイヤーにも頑張ることを強いってきます。クロノペディアとにらめっこ、あるいはループに戻ってクロノカードの回収に走らされるので、どれもが一筋縄ではいかない難易度となっています。

magica8.jpg

前述しましたが、中でもひめりーvsメアリーの戦闘は難易度と伏線回収も相まって最高潮の盛り上がりでした。
何度やっても計算が合わないので自分は四則演算すらままならないのかと絶望していたら、『姫百合との約束』を記憶カテゴリだと勘違いしていたせいでした。ややこしい。

そして、世界を覆う魔法が全て解けたとき、彼らの姿もまた本来のものへと回帰しました。;;
メアリー先生が最後に姫百合にフルネーム+敬称付きで名前を呼んでもらう場面は感動的でしたね。先生なんて似合わない肩書きだったなんて言いつつも、卒業おめでとうというやり取りも含め、花でも使い魔でもなく教師としての振る舞いを最後には演じていました。


逆転の切り札となったのは、オリエッタとイスタリカが紡いだ円環によって生まれた無限のエネルギー。
ループという永久機関によって発現した、律とオリエッタが歩んできた「歴史」であり「過去」でした。

イスタリカで歩んだ全ての思い出が詰まった使い魔限定の魔法、『クロノカード』。律への感情を爆発させたオリエッタが詠唱した最高位魔法、『輪廻天星』。国と最愛の姉の為に全てを背負う覚悟を決めたイスタリカの最高位魔法、『夢想幻灯』。
これらの魔法の掛け算によって実現した、三人ならではの解決策。魔法は想いから生まれるという言葉は紛れもなく真実でした。

magica5.jpg

本作で最も好きな文章。
ループ中の出来事は段取りからはかけ離れた本来経験していない歴史であり、可能性世界の話でしかない。しかし、それらは紛れもなく現在の二人を形作っている過去にほかなりません。
それらの思い出を泉への手向けとして捧げることは、イスタリカで経験した全てへの決着であり、清算の行為だったと思います。

最後のCGで使い魔たちが勢ぞろいしてるのも良かったです。
シャロンがニャット帽を付けている辺りはうるっときました。これもあの日々の中で、あの円環の中で生まれた思い出のひとつでした。








【好きなルート】
TRUE>諷歌>オリエッタ>姫百合>秋音

【好きなヒロイン】
おりんちゃん>ひめりー>ふーこ>トッキー



恋愛観を熱く語る主人公、ドキドキゲージなる好感度システムを始めとしたハート色のUI、多様な選択肢による会話の差分、OPやキービジュアルから迸る明るい作風。
これらの要素が目立っていたのと自分が最初にプレイしたのが姫百合ルートということもあり、恋愛シミュレーションのようなゲーム性が特徴の作品だと思っていました。
しかし、実際のところはMagical Charming!の本領はTRUEルートにおける種明かしと怒涛の展開にありました。

ループものというのはやはり近年では使い古された設定であるからして、作品ごとにどのようにエンドマークをつけるかというところに意義が生まれると思います。
本作はループ中に起こった出来事を今に繋がる過去として受け入れつつも、「本来あってはならないもの」として清算するという結末であり、最高に自分好みでした。
トリック一発かまして終わるような物語ではなく、このように設定を土台とした上で主人公たちがどう在るべきかが描かれているほか、シナリオ上の障害として配置された先生たちにも奥深いドラマがある等、どこまでも個性豊かな登場人物が主役として立てられていたのが良かったです。


純粋なシナリオだけでなく、Magical Charming!の最大の魅力はやはり「ゲームシステム」にあったと思えます。
本作はクロノカードによって経験していったことが文字通り手札になるゲーム性です。「収集要素がある」という付加価値によってプレイヤーに煩わしさを感じさせることがなく、各ルートを隅々まで探索して差分や別ENDを探していくことに面白みがありました。
特殊選択肢によって見れる差分やBADエンドは突き抜けてハチャメチャなものばかりであり、各ヒロインの掘り下げに一役買っているほか、あたかもファンディスクのようなエピソードをゲーム内で楽しむことができました。

そして、その隅々まで楽しんだご褒美が最終フェーズのTRUEで貰えるというのも魅力的でした。
TRUEルートはその突入手段がまず最高難易度を誇り、度重なる推理パートと先生たちとの1on1によって、セーブなしでは進めない高難易度アドベンチャーゲームでした。
「逆転裁判」等のゲームが既に証明済みだと思いますが、プレイヤーに自分の手で攻略させる感覚を与えるというのは、没入感の最高のスパイスとなります。

TRUEの分岐箇所にしても戦闘パートにしてもヒントが少なくされており、その分自分で攻略して辿り着いた時の感動は一入でした。良い意味で不親切、ということです。
極論今のご時世は面倒臭かったり解けなかったりしたらネットで答えを見ればいいだけの話ですから、一部の謎解きの難しさが悪印象になることはありません。これで良かったと思います。


気になった点で言えば、零周目からループに入るまでの具体的な設定変更の理由や、ボロボロのクロノカード、諷歌ルートで怪しげなやり取りをするメアリーとランドルフなど、未回収の伏線は他の作品と比べても多いかもしれません。
また、人によっては周回・収集前提のゲームシステムがじれったく感じそうなこと、メインヒロインのキャラクター性が子供っぽいこと、キャラ崩壊気味のギャグの多さ等が好みの分かれそうな部分だと思います。

magica6.jpg

とは言っても、未回収の伏線などは想像の余地を持たせるものとして割り切れる範疇であり、ゲームシステムとメインヒロインとギャグの雰囲気はとても自分好みだったので、自分にとっては神ゲーでした。


BGMはどれもが名曲揃いでした。自分は『ぽっぷすちゃ~みんぐ!』『だからって諦めない ~4th step~』『その先の歴史』が好きです。
TRUEルート専用BGMも何曲か用意されており、いずれもクライマックスを盛り上げてくれました。一度しか流れないものの『かつての向こうへ』『Advent of a New World』は印象的でした。
ノーマルエンド専用楽曲である『無慈悲なレクイエム』も名曲だと思います。ジャネット先生が急にコーラスで出てくるの笑う。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

as7_9

Author:as7_9
Twitter
Youtube
毎週水曜19時26分より放送中

最新記事
カテゴリ
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる