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【デスカムトゥルー】感想

デスカムトゥルー

2020年6月25日に𝓘𝔃𝓪𝓷𝓪𝓰𝓲 𝓖𝓪𝓶𝓮𝓼より発売されたアドベンチャーゲームです。

公式のキャッチコピー『これは、映画なのか?ゲームなのか?』が示す通り、実写映像を用いたADV作品となっております。
定価1960円で購入できるゲームであり、一周にかかる時間は約2時間、フルコンプリートにかかる時間は約4時間ということで、コンパクトにまとめられたゲームです。
キービジュアル画像ではあたかも参加者六人のバトロワ・デスゲームもの感を醸し出していますが、そんな設定はありません。加えて言うなら真ん中の二人以外はほとんど登場せず、他はというと左二人がちょこちょこ出番があるだけです。右の二人に関してはBAD ENDを踏まない限りまともに登場すらしません。

追記よりネタバレを踏まえた感想になります。



















実は口コミではやや辛口に批評されているゲームだったりするのですが、実際にプレイしてみると世間で言われているほど悪い作品ではなかったという印象を受けました。

「記憶喪失」の主人公の視点という何もかもが謎に包まれた状態から始まり、進めることで「タイムリープ」能力かと思いきや実は「仮想空間」での出来事だったなどの、衝撃的な設定が明らかになっていくというストーリーです。
この三つのキーワードだけでどこかで見た設定であると感じられると思います。悪く言えばどれもが映画やゲームでは使い古された設定。しかし、良く言えば使い古されているからこそ王道であるものとして、長年大衆に受け入れられ続けてきた要素です。
自分としても入り込みやすい世界観だと思えました。ストーリー全体としては特に大きな矛盾点があるわけではなく、こういった設定を土台としているだけあってエンタメ作品としては見応えがありました。
ゲームを進めていくにつれて世界がバグに犯されていくという、UI面に侵食するような演出にも没入感がありました。これもまた近年では珍しくない手法だと思いますが、後述するようにゲームならではの面白さがありました。

また、下記の通り尺は非常に短いのですが、その分登場人物を絞っているおかげで大雑多なストーリーにはなっていませんでした。
記事冒頭で書いた通り話全体としては空木と幸村の出番がほとんどであり、黒幕とナビはそれを盛り上げる存在でしかなかったです。主人公とヒロインの愛の物語として徹底されていたと思います。


本作は結末が二つ用意されており、最後の選択肢の「仮想空間から出る」「仮想空間に残る」のどちらを選択してもスタッフロールが流れるという試みでした。

作り物の世界に残るという選択はいわば「停滞」の現れとして、別のゲームだったらBAD END扱いがされやすいと思いますが、本作はこれもTRUE END扱いという意外な作りでした。
というのも仮想空間に残る選択をした際に、ヒロインの幸村茜が「残ってくれて嬉しかった」と言い出すんですよね。実際に発言した人物は本物の幸村茜ではなく、仮想空間の幸村茜なのですが。真相は死人に口なしなので知る由もありません。
多くのシナリオは「こんなことを○○さんは望んでいない!」と決起して否定することを正としていますが、このゲームにとってそれは綺麗ごとでした。なんとも生々しさがあって面白かったです。

こういった「二つの結末を平等に描く」というのは映像作品では絶対にできないADVゲームならではの手法であり、そういった意味では本作のコンセプトである『映画とゲームの融合』に大きな意義が生まれていると感じました。
シナリオの最大の山場も、このゲームの存在理由も、全てが最後の選択に詰まっていたと自分は思います。


不満点を挙げるとすれば、やはりボリュームの少なさです。
普通にクリアすると3~4時間かかるという話でしたが、実際に一周するのにかかった時間は1時間40分でした。もしかしたら映画一本分のボリュームを忠実に再現しているのかもしれませんが、短すぎると言わざるを得ません。
選択肢も選んだ瞬間BAD ENDに直行するようなものばかりでした。こういった実写ADVは映像作品では演出できないような選択による分岐に重きを置くものだと思っていました。
定価設定が1960円なので価格相応のボリュームとも言えるかもしれませんが、性質上同じシーンが何度か繰り返されるゲームなのにも関わらず1時間40分ですから、自分としては本当に価格相応であるとは感じられませんでした。

また、シナリオの結末に関してですが、主人公は仮想空間に残る選択をしたのにも関わらず、直後にはホテルの外に出て手探りに生き始めるというのも共感ができない部分でした。
仮想空間に残るというのはいわば全てを捨てて幸村茜と生きる選択なんだから、幸村茜が消滅する危険性のある行動をするのは一貫していないのでは……? もしかしたら久慈の手から逃れつつもCOME TRUEのシステムを利用するだけ利用して、最期の一滴だけは想い人と過ごしたかったという心中のような行動だったのでしょうか。

ちなみにダンガンロンパシリーズからのネタの流用もしばしば指摘されている作品だったりします。
通常「どこかで見たことのある設定」「○○のパクり」というような漠然とした批判は的を得ていないと思うのですが、どうやら同一人物がシナリオとディレクションを担当されていたようです。
自分としてもコンセプトもジャンルもビジュアルも全く違うゲームでありながら、個人的な気持ちとしてはダンガンロンパを未プレイな人はダンガンロンパの方からやって欲しい……と思ってしまいます。上記の通りデスカムトゥルーならではの良さもありますし、あくまで別物でしかないので比較するのも野暮なのはわかっていますが、あちらは今や定価1960円(switch版)で20時間遊べるゲームですから……ね。


なんにせよ、短いながらも心に残るもののあった作品でした。
正直なところ自分は実写映画・ドラマどころか映像作品全般に対して疎く、本作の楽しみ方を心得られていない感覚もありました。
邦画が好きな方ならまた違った目線で楽しめるのかもしれませんね。

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