
愛すべきサブキャラ達【CHAOS;CHILD】
カオチャの原作についての感想を今まで全く書いたことがなかったので、本編に登場したキャラクター達の感想・考察でも書いてみることにしました。ちょうど最近クリアした方も周りに増えてきたので。
今回はゲンさん、佐久間、和久井、川原君、神成さんについて書きます。

ホームレスの爺さん。本編ではプレイヤー視点で容疑者の一人であると思わせるポジションだったのでしょうか。他のヒロインが疑われない為のデコイというか。
実際に一章で拓留が撮ったビデオを見て、力士シールを一発で見破った場面とか、プレイしていてかなり怪しく感じました。
乃々が刺された時にゲンさんが助けたというのも、なんだか都合良く見えましたし。もしかしたら黒幕だけど全部偶然を装っているのかな、とも思ってました。
蓋を開けてみれば無害な人物でしたね。優しい飲んだくれのおっちゃんでした。疑ってすみませんでした。
10章で拓留を助けてくれた時はシビれました。指名手配されてる人物を信頼して庇うなんてかっこよすぎです。
尾上の裏切りを見せられた直後の場面だったので、この時のゲンさんは物凄く頼もしく見えました。
居ても居なくてもあまり変わらないキャラなので、他のサブキャラクターと比べても登場回数は少なめです。
少し脱線してしまいますが、アニメではただでさえ少ない登場場面が更に削られてしまっています。
まず1話で力士シールを指摘する活躍も尾上に盗られました。公式サイトのキャスト一覧にも名前が載っていなかったので、そもそも存在が消されたのかと思いました。
と思ったら3話ではほんのワンカットだけ出てきて、7話では一度名前を挙げられ、9話ではついに喋ったので、存在を消されたということもなかったです。
9話目にしてやっと喋ったキャラなので、アニメしか見てない人にとっては誰だこいつって思われてそうですが。
なお公式インタビューによれば、「ゲンさんにはある裏設定があったけど本編では明かさなかった」とのことでした。
その「ある裏設定」が一体どのようなものなのかは明らかになっていませんが、
・乃々のことを「幸せにならなきゃいけない子」と言う
・泉理の正体を一発で乃々だと見抜く(小説版)
以上より、以前ギガロマニアックス研究に携わっていた人なのかな、という解釈ができます。
例えば、泉理相手にギガロマニアックス研究をしていたチームの一員とか。そうでなくとも少なくともギガロマニアックスについてはある程度理解がありそうな雰囲気がします。
ギガロマニアックスについて理解があるにしては、拓留と尾上宅に行って脳を貸した時に何が起こったかわかっていない素振りを見せていたりするので、ただ単に洞察力が高いだけという可能性の方が高いです。
なんにせよ謎に包まれた人物ですが、過去に何かがあったというのは間違いなさそうです。
その過去の内容については公式で既に答えは用意されているのでしょう。もしかしたら3月31日に発売されるノベライズ、「Children's Revive」で何かが紐解かれるかもしれませんね。

▲「Children's Revive」。発売まで約二週間となりましたが、内容に関しては未だに不明です。

青葉寮を運営しているお父さん。その正体は尾上の協力者にして、「あちら側」の人間。ゲームメイカーが設定した「りゅうおう」的存在でした。
佐久間の正体が10章の最後で明かされた時は、「あんなに優しそうだったパパがなぜ!」と、まず思いました。彼はどう見ても加害者というよりは被害者になりそうな性格だったのに。
佐久間はサスペンス作品の犯人としてはとてもずるいキャラクターなんですよね。
ミステリーやサスペンスにおいて「身近な人物が犯人だった!」というのはよくあるシナリオです。
しかし、その為には主人公とプレイヤーを納得させる理由がなければいけません。今まで親身に接してくれていたキャラを悪役に仕立て上げるならば、それなりの理由がなければ「ただインパクトを与えたかっただけ」だと思われてしまいます。
それは、この作品にしても同じです。
佐久間の正体が明かされた時は、「こんな事件を起こすならどうして今まで家族達に優しくしてくれたんだ?」「そもそもどうしてこんな猟奇的で残酷な計画を実行したんだ?」と、ヒカリヲでの拓留の如く彼を問い詰めたくなったものです。
しかし、この佐久間というキャラクターはと言うと、
事件を起こした動機は?→おもしれぇから
なんで結衣や乃々を殺した?→おもしれぇから
今まで家族として付き合って来た理由は?→おもしれぇから
全部「おもしれぇから」。こんなのありか。
カオチャは二面性がテーマのゲームなのですが、根っからの快楽主義者であるこの男には、表と裏なんてありませんでした。そういう意味ではラスボスに相応しい人間だったのでしょうか。




▲ゲームやCDのジャケットで見ることができる、カオチャのあらゆる登場人物についている「ジッパー」。それを佐久間は持っていませんでした。
共通ルートのラスボスという重要なキャラではあるものの、なんかもうどうしようもないぐらい小物でサイコパスな人物でした。
彼は自分を尾上の協力者だと思っていたのかもしれませんが、乃々ルートではすんなり殺害されている辺り、やはり尾上にはラスボスという役割を与えられて利用されていただけなのでしょうかね。
共通ルートでは尾上が佐久間に斬りかかったけど失敗したという描写がありましたが、あれは思考誘導による八百長だったと考えられます。
佐久間は装置をつけていなければただの人ですし、尾上も佐久間を殺そうと思えばいつでも殺せたのでしょうか。
それにしたってあっさり寝首を掻かれている辺り、佐久間も不用心過ぎる気がしますが。協力する条件としてあらかじめ尾上が自分を殺せないよう、思考誘導をかけておいても良かったのでは?
個人的には佐久間自身のこと以上に、真相を知った他のキャラクターはこの完全なサイコパスである佐久間に対して、どのような感情を向けたのかが気になります。
真相を知った拓留は「あんたなんか父親じゃない!」と激怒していましたが、他の家族達は果たして彼についてどう考えたのか。
TRUEにおいて真実を知った泉理とうきと結人は、彼の亡骸に対してどう向き合ったのでしょうか。もしも結衣が自分の父親に殺されたなんてことを知ったら、どう思うのでしょうか。
特に共通ルートでは結衣も乃々も、最後の死ぬ瞬間まで佐久間のことを「普段だらしないけど頼りになる父親」であるとして、慕っていました。拓留よりも過ごしていた時間が長かった分、その感情は強かったものだと思われます。
残酷すぎて考えたくもないことですね。何が性質悪いって佐久間自身は青葉寮で乃々達と築いた家族としての関係を、嘘だとは思っていなかったことです。
彼は乃々達と家族として付き合うことを、確かにおもしれぇと思っていたのです。実はギガロマニアックスの研究の為に青葉寮を運営していただけで、家族関係は打算で築いていたとか言ってくれた方がまだ割り切ることができました。

碧朋学園新聞部顧問。その正体は300人委員会からの刺客にして、真のギガロマニアックスでした。
・和久井に対する印象遷移
「(共通ルートプレイ中)この眼鏡どう見ても怪しいんだけど」
↓
「(共通ルートクリア後)あれ、結局ただの脇役だったか」
↓
「(香月ルート)やっぱり悪い奴じゃん!」
9章の最後のマッピングトリガーで拓留・尾上・乃々・有村・和久井が残った時は、和久井のあまりの浮きっぷりに「やっぱりこいつが犯人か」って一瞬だけ思いましたよね。というかプレイ中はあんな事件の後だったこともあってメインヒロインや主人公が犯人だなんて考えたくなかったですし、彼が犯人であって欲しかったです。
強さ的には、CHAOS;HEADの将軍の次ぐらいに強いギガロマニアックスでしょうか?
つまりこのゲームにおいては最強のギガロマニアックスだったと思われます。
ヒロイン達は渋谷地震によって発生した紛い物のギガロマニアックスで、能力をひとつしか使えない。拓留は真のギガロマニアックスで潜在能力も高いと言われているとはいえ未覚醒なので、四次元ポケットのないドラえもん状態。
一方和久井は真のギガロマニアックス。その妄想力もナイトハルトのお墨付きで、全能に近い存在です。この作品の登場人物の中でも頭一つ抜けてる強さを持ったキャラであったことは間違いないでしょう。
TRUEでさらっと語られることなので目立ちにくいんですけど、和久井は渋谷地震で発生した偽ギガロマニアックス達を大掃除する役目を、委員会より任命されていました。しかし和久井は真のギガロマニアックスである拓留に興味を持ったことと、尾上の始めたくそったれなゲームを観測することが「ワン・ワールド・オーダー」の実験になることを考え、大掃除を先送りにしました。
つまり一歩間違えれば拓留もヒロイン達もみんなわけがわからないまま速攻で和久井に殺されていたんですよね。そう考えるとゾッとします。
それにしてもこんなギガロマニアックスとしては最強クラスの男ですら、300人委員会の中では低い位置にいる(?)辺り、委員会の戦力の恐ろしさが伺えます。
香月ルートは委員会と真っ向から対決していくような終わり方をしましたが、いくら超強い力士シールがいても彼らが生き残るのは非常に難しかったでしょうね。それでも香月ルートはスピンオフでその後を描いて欲しいぐらい続きが死ぬほど気になるルートなんですけども……。二人で頑張って生きていく姿が見てみたい。
以上のように作品内で絶対的な強さを持っていながらも、掴みどころのない飄々とした性格が好きで、個人的に気に入ってるキャラクターです。
TRUEでの中の人の演技もすごく好きでした。絶望感半端ないっす。悪のカリスマのようでした。
しかし、香月ルートでは力士シールマン相手に戦慄する、TRUEでは拓留に簡単に丸め込まれるなど、微妙に小物っぽいという意見もちらほら。
僕はそれらのシーンを見ても和久井が小物っぽいと言うよりは、「力士シールマンすげえ!」「拓留かっけえ!」となったので、そうは感じませんでした。
少なくともポーターを破壊された瞬間マジギレし始めた佐久間と比べれば、全然悪役っぽくてかっこいいキャラだったのではないかと。(佐久間はポーター壊されても「これがギガロマニアックスの力か!おもしれぇ!」ぐらいのことは言って欲しかったですね。)
小物っぽいというよりはコミカルと言うほうが正しいでしょうかね。ファンからは「わくわくさん」「わっくん」という愛称で親しまれています。
そして極めつけは香月ルートのプテラノドン。こんなCG笑うに決まってる。

宮代ぉーっ! 香月ぃーっ!

碧朋学園生徒会副会長。
川原君は一章で最初に出てきた時点からめちゃくちゃ嫌な奴でした。二章でも拓留をぶん殴ってきましたし、なんだこいつって印象でした。殴り返したくて仕方なかったです。
しかし、三章では拓留に対してしっかりと謝罪する一面を見せてくれました。出番はここで終わってしまいましたが、根は優しい奴だったということが伺えました。
……と、いうのは共通ルートでの話。
川原君は誰が何と言おうと間違いなくこのゲームで一番嫌われているキャラクターでしょう。
この作品の多数のプレイヤーからは「クズ」と言われて本気で叩かれています。というのももちろん、乃々ルートでの言動が原因です。
あんだけ好き放題暴れたにも関わらず、彼が誰かから殺されたり拓留がボコボコにやり返すなどの因果応報展開はありませんでした。川原君の言動に苛立たされたプレイヤーがスカッとできるようなこともなかったです。
乃々ルートでは「とにかく見ていて不快なキャラ」であり、ひとつも良い所がありませんでした。ついた愛称は「パワ原君」です。
そもそも共通ルートで拓留に謝罪したのだって、乃々に言われて仕方なくやったことでしたから。優しい奴なんかではなくて、結局ただの乃々厨だったということで説明がついています。
しかし、キャラクターにクズというレッテルを貼って一括りにしてしまうのはあんまりなので、彼を微妙に擁護しつつも彼に対する個人的な感想を書いていきたいと思います。
プレイヤーにとっては強く印象に残ることをしてきた川原君ですが、実は彼は作中の登場人物である拓留達からはほとんど相手にされていませんでした。
乃々は家族を傷付ける発言をされた時は流石に激昂したものの、拓留は川原君から嫌味な態度を見せられても無関心。何度も殴られても「こいつに殴られっぱなしなのはしゃくだな」と思われる程度で、心の中では完全に馬鹿にされている始末。
真実を1ミリも知らずに拓留に暴力しか振るえない様は、「クズ」というよりは「哀れ」だったんじゃないかと。
彼は乃々ルートでは完全な「部外者」でした。確かに乃々やうきや結人をひどく傷つける発言をしていましたが、なんだかんだで彼のせいで家族の関係が大きく好転したことも大きく悪化したこともなかったです。そういう意味ではほぼ無害でした。
川原君はライターさんの言うように、「拓留の現状を描くだけのキャラ」だったのではないかと思います。そう思うと彼は可愛そうなピエロを演じさせられていただけで、特別憤りのような感情を向けるようなキャラではないのかな、と考えていました。
乃々ルートのノーマルエンドの話を聞くまではな!

(公式資料集より)
(内部データに入っていた没ボイスの動画)
どうやら彼はただの部外者で終わる気はなかったようですね。なーにが「俺の乃々」じゃ。
このノーマルエンド、一体何を伝えたかったのでしょうか。一体どこがノーマルなのかよくわかりませんが。単なる蛇足のような……。
乃々の体を燃やして彼女を利用して生きてきた泉理への罰、ということでしょうか。それにしても重すぎる。
こんなのゲーム内で初見で辿り着いてしまったら胸糞すぎてPSVita叩き割りそうなレベルです。没になって本当に良かったです。
本項では部外者という単語を何度か使用しましたが、実は川原君には裏設定があります。
それは震災時に「頑張れという『部外者』」と発言していた人物は、実は川原君だったという話です。

▲公式資料集でのみ語られています。
そういうことなら同じく部外者を嫌う者同士として、本質的に拓留とは分かり合えることができたはずなんですけどね。来栖乃々という一人の女の子の存在が、ここまで彼らの関係を変えてしまったのでしょうか。
もちろん乃々が悪いのではなく、乃々に心酔していた川原君が気持ち悪いなぁという話なんですけども。
そんなプレイヤーからは色んな意味で人気な川原君ですが、公式SSでは思いっ切りいじられる、サブキャラクターデザインを担当した人からエイプリルフールで川原君のイラストが描かれるなど、公式からもネタキャラ扱いされていることが伺えます。
LCCでも登場することが確定しています。CG付きで。

▲本編ではCGが与えられなかった癖にLCCでこんなCGが出てくるって時点で既に面白すぎるんですが。
動画では川原と乃々の声に加工が入ってたり、有村が「うぇぇ最悪」なんてナレーションをしてたりするので、リアルの場面ではないのかなと思われます。
この後川原君が酷い目に遭うのは確定みたいな雰囲気がしますが、果たしてどうなるのやら。
「選択次第でこの二人が付き合う話になるのでは」と度々言われていますが、そんな世界線は間違っても存在しないかと……。公式からの扱いを考える限り。
乃々ルートでは家族達を何度も傷付け、没になったとはいえノーマルエンドでは許すまじ凶行に及んだ川原君。
役回りが損すぎるのでクズと言われても仕方ないキャラクターなのですが、なんだかんだで彼もカオスワールドの一員です。
LCCで彼が一体どんな行動を起こしていくのか、佐久間みたいな顔をしながら見守ることにしましょう。

渋谷署に所属する刑事。
カオヘ未プレイの方々用に説明させていただきますが、実は作中で言及されていた「神成さんの先輩刑事」は、カオヘで登場していました。
それも主人公とは別の視点から事件を追う、「裏の主人公」のようなポジションで。主人公でもヒロインでもないサブキャラクターでありながら、非常に重要なキャラクターでした。

(http://5pb.jp/games/chaoshead/)
▲判安二。警察という枷に囚われず、相棒刑事の諏訪やフリージア社長の百瀬と共に、独自で事件を追い続けていた刑事でした。
しかし、事件を追い続けた彼の最期がどうなったのかは、作中で神成さんと百瀬が語ってくれた通りです。
「――先輩は突っ走りすぎた」
そして判刑事の相棒にあたる諏訪というキャラの方も、最終的に不幸な結末を辿ってしまいました。
ということで、僕はこのゲームを始めた時から神成さんは、刑事キャラという時点でどうしても色眼鏡で見るしかありませんでした。「先輩刑事のようにいつか死んでしまうのでは?」「というかもしかしたら悪者だったりするのでは?」と。
しかし、実際にTRUEまで終わらせてみると……。疑ってごめんなさい。生きててくれてありがとう。
彼はカオチャの良心でした。ぐう聖としか言いようがありませんでした。
登場回数が多いのにも関わらず、とにかくプレイヤーを不快にさせるような言動が全くないという。終始最高に良い人でした。
この作品は良くも悪くも人間臭いキャラやサイコパスが出てくるので、キャラクターへの印象は十人十色となってしまいますが、その中でも彼は悪人だとかクズだとか感じさせられる要素が全くなかったと思いました。
症候群者である拓留達にも優しく接してくれました。拓留や有村に怒られても優しく対応してくれましたし、大人であると感じさせられました。
久野里さんに毎回のように冷たく当たられていて、拓留達からも理不尽な怒りをぶつけられることが何度もありましたが、相当な苦労人だったと思います。
アニメ公式SSでは「イマジナリーフレンド:久野里澪」を妄想するという一面も。鬱憤溜まってるんだろうな……。
事件を追うことは先輩の弔い合戦でもあると言っていた神成さん。
神成さんは拓留と久野里さんと共に真実を知り、独自の立場から最後まで突っ走り切りました。
本人は実感してないかもしれませんが、彼は先輩ができなかったことを、立派に成し遂げたのです。

神成さんはLCCでも登場するようなので期待ですね。果たしてどんな役割を演じられるのでしょうか。
プレイムービーを見たところ杯田理子と対峙していたので、「上手に焼けました」の事件の代わりとして何かが起こるかもしれないです。神成さんが被害者になってしまう事件が。
以上です。
主人公やヒロインについて全く触れずにサブキャラクターについての感想を書き連ねるという謎なことをしましたが、ヒロイン等の他のキャラクターについての感想も、時間があったら書いていきたいと考えています。
このブログ、更新頻度がいくらなんでも低すぎるから上げていきたいとは思っているのですが、文章をまとめるのが下手糞すぎて時間がどうしても足りないです。この記事書くのにも10時間ぐらいかかりました。
ソシャゲをほとんど辞めたのにも関わらず未だに積みゲーも多いですし、なんとかしたいです。
今回はゲンさん、佐久間、和久井、川原君、神成さんについて書きます。
ゲンさん

ホームレスの爺さん。本編ではプレイヤー視点で容疑者の一人であると思わせるポジションだったのでしょうか。他のヒロインが疑われない為のデコイというか。
実際に一章で拓留が撮ったビデオを見て、力士シールを一発で見破った場面とか、プレイしていてかなり怪しく感じました。
乃々が刺された時にゲンさんが助けたというのも、なんだか都合良く見えましたし。もしかしたら黒幕だけど全部偶然を装っているのかな、とも思ってました。
蓋を開けてみれば無害な人物でしたね。優しい飲んだくれのおっちゃんでした。疑ってすみませんでした。
10章で拓留を助けてくれた時はシビれました。指名手配されてる人物を信頼して庇うなんてかっこよすぎです。
尾上の裏切りを見せられた直後の場面だったので、この時のゲンさんは物凄く頼もしく見えました。
居ても居なくてもあまり変わらないキャラなので、他のサブキャラクターと比べても登場回数は少なめです。
少し脱線してしまいますが、アニメではただでさえ少ない登場場面が更に削られてしまっています。
まず1話で力士シールを指摘する活躍も尾上に盗られました。公式サイトのキャスト一覧にも名前が載っていなかったので、そもそも存在が消されたのかと思いました。
と思ったら3話ではほんのワンカットだけ出てきて、7話では一度名前を挙げられ、9話ではついに喋ったので、存在を消されたということもなかったです。
9話目にしてやっと喋ったキャラなので、アニメしか見てない人にとっては誰だこいつって思われてそうですが。
なお公式インタビューによれば、「ゲンさんにはある裏設定があったけど本編では明かさなかった」とのことでした。
その「ある裏設定」が一体どのようなものなのかは明らかになっていませんが、
・乃々のことを「幸せにならなきゃいけない子」と言う
・泉理の正体を一発で乃々だと見抜く(小説版)
以上より、以前ギガロマニアックス研究に携わっていた人なのかな、という解釈ができます。
例えば、泉理相手にギガロマニアックス研究をしていたチームの一員とか。そうでなくとも少なくともギガロマニアックスについてはある程度理解がありそうな雰囲気がします。
ギガロマニアックスについて理解があるにしては、拓留と尾上宅に行って脳を貸した時に何が起こったかわかっていない素振りを見せていたりするので、ただ単に洞察力が高いだけという可能性の方が高いです。
なんにせよ謎に包まれた人物ですが、過去に何かがあったというのは間違いなさそうです。
その過去の内容については公式で既に答えは用意されているのでしょう。もしかしたら3月31日に発売されるノベライズ、「Children's Revive」で何かが紐解かれるかもしれませんね。

▲「Children's Revive」。発売まで約二週間となりましたが、内容に関しては未だに不明です。
佐久間 恒

青葉寮を運営しているお父さん。その正体は尾上の協力者にして、「あちら側」の人間。ゲームメイカーが設定した「りゅうおう」的存在でした。
佐久間の正体が10章の最後で明かされた時は、「あんなに優しそうだったパパがなぜ!」と、まず思いました。彼はどう見ても加害者というよりは被害者になりそうな性格だったのに。
佐久間はサスペンス作品の犯人としてはとてもずるいキャラクターなんですよね。
ミステリーやサスペンスにおいて「身近な人物が犯人だった!」というのはよくあるシナリオです。
しかし、その為には主人公とプレイヤーを納得させる理由がなければいけません。今まで親身に接してくれていたキャラを悪役に仕立て上げるならば、それなりの理由がなければ「ただインパクトを与えたかっただけ」だと思われてしまいます。
それは、この作品にしても同じです。
佐久間の正体が明かされた時は、「こんな事件を起こすならどうして今まで家族達に優しくしてくれたんだ?」「そもそもどうしてこんな猟奇的で残酷な計画を実行したんだ?」と、ヒカリヲでの拓留の如く彼を問い詰めたくなったものです。
しかし、この佐久間というキャラクターはと言うと、
事件を起こした動機は?→おもしれぇから
なんで結衣や乃々を殺した?→おもしれぇから
今まで家族として付き合って来た理由は?→おもしれぇから
全部「おもしれぇから」。こんなのありか。
カオチャは二面性がテーマのゲームなのですが、根っからの快楽主義者であるこの男には、表と裏なんてありませんでした。そういう意味ではラスボスに相応しい人間だったのでしょうか。




▲ゲームやCDのジャケットで見ることができる、カオチャのあらゆる登場人物についている「ジッパー」。それを佐久間は持っていませんでした。
共通ルートのラスボスという重要なキャラではあるものの、なんかもうどうしようもないぐらい小物でサイコパスな人物でした。
彼は自分を尾上の協力者だと思っていたのかもしれませんが、乃々ルートではすんなり殺害されている辺り、やはり尾上にはラスボスという役割を与えられて利用されていただけなのでしょうかね。
共通ルートでは尾上が佐久間に斬りかかったけど失敗したという描写がありましたが、あれは思考誘導による八百長だったと考えられます。
佐久間は装置をつけていなければただの人ですし、尾上も佐久間を殺そうと思えばいつでも殺せたのでしょうか。
それにしたってあっさり寝首を掻かれている辺り、佐久間も不用心過ぎる気がしますが。協力する条件としてあらかじめ尾上が自分を殺せないよう、思考誘導をかけておいても良かったのでは?
個人的には佐久間自身のこと以上に、真相を知った他のキャラクターはこの完全なサイコパスである佐久間に対して、どのような感情を向けたのかが気になります。
真相を知った拓留は「あんたなんか父親じゃない!」と激怒していましたが、他の家族達は果たして彼についてどう考えたのか。
TRUEにおいて真実を知った泉理とうきと結人は、彼の亡骸に対してどう向き合ったのでしょうか。もしも結衣が自分の父親に殺されたなんてことを知ったら、どう思うのでしょうか。
特に共通ルートでは結衣も乃々も、最後の死ぬ瞬間まで佐久間のことを「普段だらしないけど頼りになる父親」であるとして、慕っていました。拓留よりも過ごしていた時間が長かった分、その感情は強かったものだと思われます。
残酷すぎて考えたくもないことですね。何が性質悪いって佐久間自身は青葉寮で乃々達と築いた家族としての関係を、嘘だとは思っていなかったことです。
彼は乃々達と家族として付き合うことを、確かにおもしれぇと思っていたのです。実はギガロマニアックスの研究の為に青葉寮を運営していただけで、家族関係は打算で築いていたとか言ってくれた方がまだ割り切ることができました。
和久井 修一

碧朋学園新聞部顧問。その正体は300人委員会からの刺客にして、真のギガロマニアックスでした。
・和久井に対する印象遷移
「(共通ルートプレイ中)この眼鏡どう見ても怪しいんだけど」
↓
「(共通ルートクリア後)あれ、結局ただの脇役だったか」
↓
「(香月ルート)やっぱり悪い奴じゃん!」
9章の最後のマッピングトリガーで拓留・尾上・乃々・有村・和久井が残った時は、和久井のあまりの浮きっぷりに「やっぱりこいつが犯人か」って一瞬だけ思いましたよね。というかプレイ中はあんな事件の後だったこともあってメインヒロインや主人公が犯人だなんて考えたくなかったですし、彼が犯人であって欲しかったです。
強さ的には、CHAOS;HEADの将軍の次ぐらいに強いギガロマニアックスでしょうか?
つまりこのゲームにおいては最強のギガロマニアックスだったと思われます。
ヒロイン達は渋谷地震によって発生した紛い物のギガロマニアックスで、能力をひとつしか使えない。拓留は真のギガロマニアックスで潜在能力も高いと言われているとはいえ未覚醒なので、四次元ポケットのないドラえもん状態。
一方和久井は真のギガロマニアックス。その妄想力もナイトハルトのお墨付きで、全能に近い存在です。この作品の登場人物の中でも頭一つ抜けてる強さを持ったキャラであったことは間違いないでしょう。
TRUEでさらっと語られることなので目立ちにくいんですけど、和久井は渋谷地震で発生した偽ギガロマニアックス達を大掃除する役目を、委員会より任命されていました。しかし和久井は真のギガロマニアックスである拓留に興味を持ったことと、尾上の始めたくそったれなゲームを観測することが「ワン・ワールド・オーダー」の実験になることを考え、大掃除を先送りにしました。
つまり一歩間違えれば拓留もヒロイン達もみんなわけがわからないまま速攻で和久井に殺されていたんですよね。そう考えるとゾッとします。
それにしてもこんなギガロマニアックスとしては最強クラスの男ですら、300人委員会の中では低い位置にいる(?)辺り、委員会の戦力の恐ろしさが伺えます。
香月ルートは委員会と真っ向から対決していくような終わり方をしましたが、いくら超強い力士シールがいても彼らが生き残るのは非常に難しかったでしょうね。それでも香月ルートはスピンオフでその後を描いて欲しいぐらい続きが死ぬほど気になるルートなんですけども……。二人で頑張って生きていく姿が見てみたい。
以上のように作品内で絶対的な強さを持っていながらも、掴みどころのない飄々とした性格が好きで、個人的に気に入ってるキャラクターです。
TRUEでの中の人の演技もすごく好きでした。絶望感半端ないっす。悪のカリスマのようでした。
しかし、香月ルートでは力士シールマン相手に戦慄する、TRUEでは拓留に簡単に丸め込まれるなど、微妙に小物っぽいという意見もちらほら。
僕はそれらのシーンを見ても和久井が小物っぽいと言うよりは、「力士シールマンすげえ!」「拓留かっけえ!」となったので、そうは感じませんでした。
少なくともポーターを破壊された瞬間マジギレし始めた佐久間と比べれば、全然悪役っぽくてかっこいいキャラだったのではないかと。(佐久間はポーター壊されても「これがギガロマニアックスの力か!おもしれぇ!」ぐらいのことは言って欲しかったですね。)
小物っぽいというよりはコミカルと言うほうが正しいでしょうかね。ファンからは「わくわくさん」「わっくん」という愛称で親しまれています。
そして極めつけは香月ルートのプテラノドン。こんなCG笑うに決まってる。

宮代ぉーっ! 香月ぃーっ!
川原 雅司

碧朋学園生徒会副会長。
川原君は一章で最初に出てきた時点からめちゃくちゃ嫌な奴でした。二章でも拓留をぶん殴ってきましたし、なんだこいつって印象でした。殴り返したくて仕方なかったです。
しかし、三章では拓留に対してしっかりと謝罪する一面を見せてくれました。出番はここで終わってしまいましたが、根は優しい奴だったということが伺えました。
……と、いうのは共通ルートでの話。
川原君は誰が何と言おうと間違いなくこのゲームで一番嫌われているキャラクターでしょう。
この作品の多数のプレイヤーからは「クズ」と言われて本気で叩かれています。というのももちろん、乃々ルートでの言動が原因です。
あんだけ好き放題暴れたにも関わらず、彼が誰かから殺されたり拓留がボコボコにやり返すなどの因果応報展開はありませんでした。川原君の言動に苛立たされたプレイヤーがスカッとできるようなこともなかったです。
乃々ルートでは「とにかく見ていて不快なキャラ」であり、ひとつも良い所がありませんでした。ついた愛称は「パワ原君」です。
そもそも共通ルートで拓留に謝罪したのだって、乃々に言われて仕方なくやったことでしたから。優しい奴なんかではなくて、結局ただの乃々厨だったということで説明がついています。
しかし、キャラクターにクズというレッテルを貼って一括りにしてしまうのはあんまりなので、彼を微妙に擁護しつつも彼に対する個人的な感想を書いていきたいと思います。
プレイヤーにとっては強く印象に残ることをしてきた川原君ですが、実は彼は作中の登場人物である拓留達からはほとんど相手にされていませんでした。
乃々は家族を傷付ける発言をされた時は流石に激昂したものの、拓留は川原君から嫌味な態度を見せられても無関心。何度も殴られても「こいつに殴られっぱなしなのはしゃくだな」と思われる程度で、心の中では完全に馬鹿にされている始末。
真実を1ミリも知らずに拓留に暴力しか振るえない様は、「クズ」というよりは「哀れ」だったんじゃないかと。
彼は乃々ルートでは完全な「部外者」でした。確かに乃々やうきや結人をひどく傷つける発言をしていましたが、なんだかんだで彼のせいで家族の関係が大きく好転したことも大きく悪化したこともなかったです。そういう意味ではほぼ無害でした。
川原君はライターさんの言うように、「拓留の現状を描くだけのキャラ」だったのではないかと思います。そう思うと彼は可愛そうなピエロを演じさせられていただけで、特別憤りのような感情を向けるようなキャラではないのかな、と考えていました。
乃々ルートのノーマルエンドの話を聞くまではな!

(公式資料集より)
(内部データに入っていた没ボイスの動画)
どうやら彼はただの部外者で終わる気はなかったようですね。なーにが「俺の乃々」じゃ。
このノーマルエンド、一体何を伝えたかったのでしょうか。一体どこがノーマルなのかよくわかりませんが。単なる蛇足のような……。
乃々の体を燃やして彼女を利用して生きてきた泉理への罰、ということでしょうか。それにしても重すぎる。
こんなのゲーム内で初見で辿り着いてしまったら胸糞すぎてPSVita叩き割りそうなレベルです。没になって本当に良かったです。
本項では部外者という単語を何度か使用しましたが、実は川原君には裏設定があります。
それは震災時に「頑張れという『部外者』」と発言していた人物は、実は川原君だったという話です。

▲公式資料集でのみ語られています。
そういうことなら同じく部外者を嫌う者同士として、本質的に拓留とは分かり合えることができたはずなんですけどね。来栖乃々という一人の女の子の存在が、ここまで彼らの関係を変えてしまったのでしょうか。
もちろん乃々が悪いのではなく、乃々に心酔していた川原君が気持ち悪いなぁという話なんですけども。
そんなプレイヤーからは色んな意味で人気な川原君ですが、公式SSでは思いっ切りいじられる、サブキャラクターデザインを担当した人からエイプリルフールで川原君のイラストが描かれるなど、公式からもネタキャラ扱いされていることが伺えます。
LCCでも登場することが確定しています。CG付きで。

▲本編ではCGが与えられなかった癖にLCCでこんなCGが出てくるって時点で既に面白すぎるんですが。
動画では川原と乃々の声に加工が入ってたり、有村が「うぇぇ最悪」なんてナレーションをしてたりするので、リアルの場面ではないのかなと思われます。
この後川原君が酷い目に遭うのは確定みたいな雰囲気がしますが、果たしてどうなるのやら。
「選択次第でこの二人が付き合う話になるのでは」と度々言われていますが、そんな世界線は間違っても存在しないかと……。公式からの扱いを考える限り。
乃々ルートでは家族達を何度も傷付け、没になったとはいえノーマルエンドでは許すまじ凶行に及んだ川原君。
役回りが損すぎるのでクズと言われても仕方ないキャラクターなのですが、なんだかんだで彼もカオスワールドの一員です。
LCCで彼が一体どんな行動を起こしていくのか、佐久間みたいな顔をしながら見守ることにしましょう。
神成 岳志

渋谷署に所属する刑事。
カオヘ未プレイの方々用に説明させていただきますが、実は作中で言及されていた「神成さんの先輩刑事」は、カオヘで登場していました。
それも主人公とは別の視点から事件を追う、「裏の主人公」のようなポジションで。主人公でもヒロインでもないサブキャラクターでありながら、非常に重要なキャラクターでした。

(http://5pb.jp/games/chaoshead/)
▲判安二。警察という枷に囚われず、相棒刑事の諏訪やフリージア社長の百瀬と共に、独自で事件を追い続けていた刑事でした。
しかし、事件を追い続けた彼の最期がどうなったのかは、作中で神成さんと百瀬が語ってくれた通りです。
「――先輩は突っ走りすぎた」
そして判刑事の相棒にあたる諏訪というキャラの方も、最終的に不幸な結末を辿ってしまいました。
ということで、僕はこのゲームを始めた時から神成さんは、刑事キャラという時点でどうしても色眼鏡で見るしかありませんでした。「先輩刑事のようにいつか死んでしまうのでは?」「というかもしかしたら悪者だったりするのでは?」と。
しかし、実際にTRUEまで終わらせてみると……。疑ってごめんなさい。生きててくれてありがとう。
彼はカオチャの良心でした。ぐう聖としか言いようがありませんでした。
登場回数が多いのにも関わらず、とにかくプレイヤーを不快にさせるような言動が全くないという。終始最高に良い人でした。
この作品は良くも悪くも人間臭いキャラやサイコパスが出てくるので、キャラクターへの印象は十人十色となってしまいますが、その中でも彼は悪人だとかクズだとか感じさせられる要素が全くなかったと思いました。
症候群者である拓留達にも優しく接してくれました。拓留や有村に怒られても優しく対応してくれましたし、大人であると感じさせられました。
久野里さんに毎回のように冷たく当たられていて、拓留達からも理不尽な怒りをぶつけられることが何度もありましたが、相当な苦労人だったと思います。
アニメ公式SSでは「イマジナリーフレンド:久野里澪」を妄想するという一面も。鬱憤溜まってるんだろうな……。
事件を追うことは先輩の弔い合戦でもあると言っていた神成さん。
神成さんは拓留と久野里さんと共に真実を知り、独自の立場から最後まで突っ走り切りました。
本人は実感してないかもしれませんが、彼は先輩ができなかったことを、立派に成し遂げたのです。

神成さんはLCCでも登場するようなので期待ですね。果たしてどんな役割を演じられるのでしょうか。
プレイムービーを見たところ杯田理子と対峙していたので、「上手に焼けました」の事件の代わりとして何かが起こるかもしれないです。神成さんが被害者になってしまう事件が。
以上です。
主人公やヒロインについて全く触れずにサブキャラクターについての感想を書き連ねるという謎なことをしましたが、ヒロイン等の他のキャラクターについての感想も、時間があったら書いていきたいと考えています。
このブログ、更新頻度がいくらなんでも低すぎるから上げていきたいとは思っているのですが、文章をまとめるのが下手糞すぎて時間がどうしても足りないです。この記事書くのにも10時間ぐらいかかりました。
ソシャゲをほとんど辞めたのにも関わらず未だに積みゲーも多いですし、なんとかしたいです。