
【ファイアーエムブレム エンゲージ】感想

『ファイアーエムブレム エンゲージ』は2023年1月20日に発売された、任天堂が誇るシミュレーションRPGシリーズの最新作です。
自分は過去のFEシリーズは『覚醒』『if』『風花雪月』のみクリア済みです。中でも覚醒と風花雪月は200時間以上プレイしました。
一周目はハード/クラシックでクリアしました。
と言ってもプレイ中にストーリーのネタバレを踏んでしまったり、ユニット成長率などの情報をチラチラ見ることがあったので、まっさらな状態で初見クリアしたとはとても言い難いです。成長率はプレイ中にどうしても気になってしまうのが性です。
追記よりクリアパーティを紹介しつつ、ネタバレを踏まえた感想を書いていきます。
リュール

評価:S
中盤まで守備ばかりが伸びるという謎の成長を遂げてしまったので、壁役として使うことを決意しました。
元々の速さの伸びもいいほか、守備が高く魔防もそこまで低くないので事故らないという強みもあり、壁役として積極的に前に出すことができました。
クラスは最初は神竜ノ王にしてリベラシオンを振っていたのですが、どう考えても他クラスのが強いということに気付いてしまったので途中でシーフに転職させました。
このゲームのシーフは恵まれすぎです。もっと言えばナイフの性能が恵まれすぎです。
指輪はルキナやカムイを装備させていました。竜脈の霧は本人の回避率を上げるというよりは、敵の移動を阻害する壁として便利だった印象です。
火力も申し分なかったので、リュールを単騎突撃させるだけでほとんどの敵を捌くことができました。ハード以下は完全にミカヤ紋章の回避盾ゲーです。
エーティエ

評価:B
最序盤で加入してからずっとスタメンだった良い子です。
クラスは最初はスナイパーで運用していましたが、スタイルが連携になって力と体格が伸びるウォーリアーの方が使いやすそうだったので、途中で転職しました。スナイパーもスナイパーで勇者の弓を使える強みはありますけどね。
そのせいか命中+15をもってしても命中率が安定しないという弓要員にあるまじき事態になりましたが、力がめきめき伸びるのも相まって火力は申し分なかったです
指輪は余ったので体格が伸びるリーフを持たせていました。
固有スキルはウミトリオの特性よりも使い道がありません。
ブシュロン

評価:A
最初はどう見ても弱そうだったのでふざけ半分に使っていたのですが、普通に強ユニットでしたね。
力の成長率がオルテンシアと互角なことをよくネタにされていますが、技と速さの成長率はトップクラスであり、本作では第二の速さと言っても過言ではない重要ステータスの体格もぐんぐん伸びていきます。
力の低さは重い武器を持たせることで十分に補強できるので、パネトネの極端さとはまた別の路線を行く良ユニットだと思いました。。射程3で攻撃できてチェインアタックも可能なウォーリアーはやはり優秀です。
指輪は終盤ではリンを持たせていました。リンの速さの吸収が優秀過ぎるせいで物理エースと化しており、MVPの座を欲しいままにしていました。
セリーヌ

評価:C+
好きなキャラなので手塩に掛けて育てていました。魔法ユニットとして加入する割には魔力が伸びにくい困った子です。
SRPGはユニットをそれぞれ有利な相手にぶつけていくゲームなので両刀型の評価は個人的には低めであり、完全な物理ユニットとして育成するべくクラスはペガサスナイト→グリフォンナイト→ドラゴンナイトという職歴を辿りました。
速さはそこそこあるのですが、終盤の敵は異様に速かったので追撃が発生することは滅多にありませんでした。ちなみに物理一本で育成するならグリフォンに乗せるのは間違いだったと後で知りました。
指輪はリンやロイを装備させていました。
リンを装備させていた期間は追撃がしやすくてとても強く感じたのですが、ただただリンが強いだけだったということに指輪を外した後で気付かされました。
ロイを装備させている時はドラゴンの補正もあって火力は大きく伸びたのですが、回避が下がってしまうせいでせっかくの速さを活かせなかった感覚はありました。
総合成長率は高いものの、前述の通り両刀ユニットは個人的には扱いが難しく、高い幸運も本作では死にステータス寄りです。
決して弱くはなかったのですが勇者の剣を装備できるわけでもないので独自の強さは見出せなかったです。一体このユニットはどう育成するのが正解だったんだ……?
ルイ

評価:S
FEエンゲージ最強のユニットと謳う人もいるぐらい強い人です。
風花雪月ではアーマーナイト系クラスは計略で崩されてしまうことが多かったので非常に使いにくかったのですが、本作は計略がない上に魔法ユニットの数も気持ち少な目に感じたので、無類の強さを発揮していました。ルイだけに。
終盤は大斧でぶん殴ってくる敵ユニットがしばしば出てきたので、リュールと違って受けが成立しないシーンもありましたが、その分本人の火力はリュールとは比較にならないぐらい高かったです。
力がよく伸びる上に大槍系の武器の威力が高いので、物理火力の高さなら普通に自軍中ナンバーワンだったと思います。
前に出しているだけで敵が勝手に溶けていきますし、敵将を倒す際も有力な打点源となっていました。
指輪はシグルドです。アーマーナイトに足りない移動力を補えるだけでなく、苦手な魔法ユニットをオーバードライブで倒して帰宅する芸当ができるようになります。
本作の結論の組み合わせと言っても過言ではないほどに強かったです。
アイビー

評価:B
本作で初めて加入するまともな魔法ユニットという印象です。序盤の魔法ユニットの妙な使いづらさはセリカの超性能と帳尻が合わされていたりするのでしょうか……?
魔力と速さがそれなりに伸びてくれるので、魔法アタッカーとして及第点の強さはあったと思います。
専用クラスのスキルである虚空は本人の技が低いので発動率はいまいちであり、発動したらラッキー程度のイメージでした。
終盤はパンドロとヴェイルにアタッカーとしての席を譲り、妹と共に杖を振り続けていました。
なんにしてもFEエンゲージはサンダー系統の武器(特にトロン)が強いので、多少の弱点はあれど一定以上の使い勝手は保障されていた印象です。
パンドロ

評価:S
FEエンゲージ最強の魔法ユニットです。
魔法ユニットとしては高い初期値とそれなりの成長率を持っており、他のか弱い女魔導士と違って体格が伸びるのが嬉しく、上級魔法を持っても攻速が落ちにくいのも彼の強みでした。
そもそも本作の他の魔法ユニットは成長率が低くされていたり初期クラスが物理職にされていたりで扱いづらさが目立つ中、パンドロだけは魔導士として真っ当な成長をしてくれるので、消去法で彼が最強になるという言い方もできるかもしれません。
紋章士セリカの強さも相まって、紛れもなく魔法エースでした。
オルテンシア

評価:B
杖要員として使ってくれと言わんばかりの固有スキルを持っていたので、お望み通りサポート役として運用していました。
杖を振りながら切り札として女神の舞を使うというサポート特化の運用方法は、正直オルテンシアじゃなくても誰でもできるくね感はありましたが、固有スキルと兵種スキルが唯一無二ではあるので彼女に任せるのが最適解だったことは違いないのかもしれません。
魔力の成長率が20%しかないのが謎でしたが、元々攻撃に回る機会は少なかったので不便さはあまり感じませんでした。なんならロサードよりも火力は出ていました。
セアダス

評価:S
踊り子が弱いはずがないので文句なしの強ユニットです。本作では再移動で攻撃範囲外に逃げやすいので扱うのが楽でした。
というか仮に敵に狙われたとしてもそこらの後衛よりは普通に耐久も速さもあるので、一発二発ぐらいなら攻撃されても問題ないのも強みでした。
指輪はデュアルアタックで攻撃に参加できるルキナを装備させていました。
ロサード

評価:C
スタメンから外すかどうか最後まで悩んでいましたが、なんだかんだで加入してから最後まで使っていました。
そういう経緯もあってあまり経験値を与えていなかったので、他のユニットと比べて能力値は低めでした。火力も耐久も半端だったので活躍はあまりさせられませんでした。
終盤は専らアイクの指輪を使った引き戻し要員でした。ここでは評価Cとなっていますが、固有スキルは最強格なのでしっかり育てればちゃんと強くなってくれると思います。
モーヴ

評価:SS
クラスはそのまま使っても炎の槍が弱すぎるせいで扱いにくいと考え、グリフォンナイトに乗せていかづちの剣を振らせていました。
初期値と成長率が高水準であり、回避盾として運用できつつも終盤の敵を大体ワンパンしてしまえるという最強のユニットでした。
他のユニットと比べて総合値が高すぎる時点でその強さが伺えます。加入期間は短かったですが、FEifのリョウマを思い出す無双っぷりでした。
ヴェイル

評価:S
最終盤に加入するユニットなだけあって、モーヴと共に高い初期値を誇ります。
魔法ユニットとしての強さはパンドロと並び、トロンとノヴァの強さも相まってケチのつけようがない優秀さでした。
まあ、モーヴと一緒で加入する時点では難所がほとんど終わってしまっているので、有難みを実感できる機会は少なめでしたが。
他にはジャン、ゼルコバは最終的にはスタメンからは外れてしまいましたが、長期的に使用していました。
ジャンは加入してから25章まで使用していましたが、ヴェイルと交代する形でスタメン落ちしました。良成長の成長率は掛け値なしに優秀であり、中盤で上級職に転職した際は魔法エースと化していました。
ゼルコバは固有スキルだけ見て「回避盾として使ったろW」と考えたのですが、ルキナの紋章を装備させても回避40%程度にしかならない体たらくだったので破綻しました。成長率があまりにもシーフじゃなさすぎました。
ちなみに飛行ユニットが五体居るという舐め腐ったバランスの軍なので、弓砲台があるマップではありえないぐらい苦戦しました。
本編をクリアしたとは言ったものの、DLCは購入すらしておらず、外伝はまだ三つほどしか消化できていません。エアプです。
というのも外伝をやり過ぎて難易度が下がるのが嫌だったからです。風花雪月ルナが実際にそれだったので。遭遇戦も一戦もやりませんでした。
ただ、エンディング後に外伝を消化してもそれはそれで作業に感じてしまうので、やり時を逃してしまった感じがありました。
これでもクリアにかかった時間は50時間を超えていたので、やることの多すぎるゲームでした。
戦闘はこちらがエンゲージや紋章刻印等の壊れ要素を味方にしている分、どのマップも歯応えのあるように調整されていた印象です。
例えば終盤から登場する射程4・防御無視攻撃・高耐久の敵ユニットである異形竜の能力の設定は、明らかなゲーム難易度のインフレを感じました。
ギミックで言っても指輪と時戻しを奪われた状態でフリーズを連打してくる敵から逃げたり、索敵マップでワープライナを連打してくる敵将を相手取ることになるなど、初見で攻略するには嫌らしいマップが多かった印象です。
これらの難関をエンゲージを駆使して突破していくのが中々に楽しく、本作ならではの爽快感だと感じました。
プレイヤー側が使える要素が増えすぎてしまうとゲームバランスはヌルくなりやすいと思いますが、それを感じさせないバランス調整がされているのが本作の上手いところだと思いました。
まあ突き詰めてしまえばルナティックでもシーフで回避盾するゲームになると思いますが、これはFEの戦闘システム上仕方がないことです。
ストーリーに関しては諸々の理由からプレイ前の期待値はかなり低めだったのですが、自分は普通に好きな話でした。
道中でそうはならんやろーwとなるような展開は随所にあったものの、終盤におけるシナリオの盛り上がり方は素晴らしかったです。四狗を始めとした敵キャラクターが魅力的に描かれており、家族というテーマ性も一貫していて、読み応えのあるお話だったと思います。
キャラクターが多いものの支援会話で掘り下げ自体は多く成されるというのもFEシリーズの良い所だと感じました。
序盤に主人公が棒立ちしたままお母ちゃんが殺された時や異形兵のモリオン王が出てきた時などは、オイオイなんだこの既視感はと思ってしまいましたが、後者はともかく前者については最終章手前で清算がされていました。
ルミエルや四狗の死は重く描かれており、少なくとも人が不必要にバタバタ死んでいってお涙頂戴という作品ではなかったので、自分としてはそれだけでも十分でした。元々FEシリーズはストーリー目当てでプレイしているわけではなかったので。
FEエンゲージを気に入った和花ちゃんになったので、邪竜の章もやろうと考えています。