
ぎゃくさば4クリアしました
逆転裁判4、世間では散々な評価を受けているゲームです。僕は逆転裁判シリーズをプレイする前から、「逆転裁判4はとんでもない黒歴史ゲー」という印象を受けていたぐらいです。というのは、これは僕が昔しばしば閲覧していた、某@wikiの影響なのですが。
そういう経緯もあってこのゲームだけは、いつかはプレイしたいなーと考えながらもずっと購入を見送っていました。
そんな逆転裁判4でしたが、こないだついにiOS版が発売されました。公式から黒歴史扱いされてるとかなんとか言われてましたが、こうして発売もされましたし杞憂でしたね。
これでいつでもどこでも綺麗な画質で逆転裁判4が楽しめるということで、いい機会だと思って購入しました。

一昨日クリアできたので、ネタバレあり感想を書いていきたいと思います。
このゲームの批判点は他所で散々言い尽くされていると思いますし、リトバスの感想ほど長ったらしくは書きません。
ポーカーでイカサマをしていたのは実は被告人ではなく被害者だった。被害者が撃たれたのは正面からではなく真後ろからだった。事件が起こったのは第三部中ではなく第二部中だった。
……など、プレイヤーが主人公を操作していき、何度も法廷を《逆転》させていくという快感は健在でした。裁判が始まった段階では「これ被告人以外に犯行可能な人物いなくない?」という状況の中から、小さなムジュンの指摘やハッタリを駆使し、事件の見方を根元から引っくり返していく。これぞ逆転裁判です。
取り扱われる事件は全て殺人事件で、全ての話で犯人をしっかり最後まで追い詰めてブレイクすることができるので、モヤモヤせずに終われた話は多かったです。
・やはり魅力的なキャラクターたち
逆転裁判といえば、個性の強い被告人!追い詰め甲斐のある真犯人!頭のおかしい証人!ということで。一括りにしてしまうと、変な奴ばっか出てくるゲームです。
逆転裁判4もシリーズの例に漏れず、濃いキャラばかり出てきました。モーションが印象に残りやすいキャラが多かったです。
個人的に印象に残ったキャラを一人挙げるなら、3話の真犯人のダイアン刑事です。

モーションのインパクトの強さもあるのですが、王泥喜に対する反証がしっかりしているのが良かったですね。証拠がない、それが完璧な立証とは言えない……を繰り返すような見苦しい言い逃れはしてこなかったので、ポイントが高かったです。彼を追い詰めていく際の爽快感は、歴代真犯人(ラスボスを除く)の追求の中でもトップクラスだったと思います。
それだけ手強かった犯人だっただけあって、最終的によくわからない自白で終わってしまったのは少し残念でした。動機も結局はなんだったのかわからず仕舞いでした。(プレイ中彼の動機は「実は密輸を目論んだのはチリョーレス症候群にかかった彼の友達を助ける為で、本当はこいつはイイ奴だったっていう話なのでは!?」と思ってましたが、普通にお金が欲しいだけの悪い人だったみたいですね。)
まあ、これは悪かった点の領分なので、詳しくは後述します。
・BGMが良い
世代交代がされたことでBGMが一新されました。(一部過去のBGMも使われていますが。)
シリーズでお馴染みの尋問、真実は告げる、追求などはどれもが素晴らしい完成度でした。特に4の尋問のアレグロは歴代でも一番お気に入りです。
他にも「王泥喜 法介 〜新章開廷!」「或真敷一座」など、印象に残る曲は非常に多かったです。総括的に、BGMにおいてはこの作品が一番好きかもしれません。
一番は主人公の王泥喜でしょうか。どうして弁護士を目指したのかすら不明のまま終わってしまいました。これは感情移入ができなかったと言われても仕方ありません。
王泥喜は幼い頃に父と母と生き別れたという境遇を抱えていることが判明するのですが、本人がそのような境遇を語ったり示唆したりすることは一切ありませんでした。ここまで悲しい過去を背負っているのにも関わらずです。
今作では3話の証人が実は王泥喜の母親だったと判明する仕掛けがあります。彼女は王泥喜のことを気にかけているのにも関わらず、王泥喜は自分の母親のことを話したことは全くなかったです。ですから王泥喜は彼女のことをどう思っているのかなどがさっぱりわからず、彼女が母親だからどうしたんだと感じてしまいました。
関係が具体的にわからないという意味では、牙琉兄弟にも言えました。弟は兄のことをどう思っているのか?兄は弟のことをどう思っているのか?完全に不明でした。一応4話の時は何か悩んでいるそぶりは見せていましたが、具体的に語られることはありませんでした。
牙琉弟は3話で自分の相棒を追い詰め、4話では自分の実兄を追い詰めることになり、影ながら悲劇に見舞われているキャラです。ですから何か葛藤したりカタルシスを感じさせたりする展開はないのかと思いましたが、ダイアンも牙琉兄もほぼ赤の他人のように扱っていました。
あまりにも葛藤されると公私混同となるので、検事としては正しいことだと思います。しかし牙琉弟は3話の探偵パートなどでは人間らしさを何度も覗かせていたキャラなので、そのような人間ドラマを感じさせられる描写がないのはつまらなかったです。
他にも牙琉兄が天才と呼ばれていた具体的な理由がない、みぬきが終始明るく振舞うだけのキャラでヒロインらしさがないなど、全体的に主要キャラの掘り下げが少なすぎました。
成歩堂シリーズでは1の時点から主人公が弁護士になったきっかけを語ってくれ、ヒロインも2話で被告人になる過程を経てプレイヤーから守ってあげたいと思わせてくれるキャラでした。今作では主人公たちが自分の今の性格に基づいた過去を語ること、事件などでキャラ同士の人間関係を掘り下げることはほぼなかったので、どのキャラにも感情移入が非常にしにくかったです。
まあ、4はほとんど成歩堂がメインの話だったので、新規キャラの描写に尺は割けなかったのかもしれませんね。
・キャラの細かい描写が変
4は「成歩堂の性格に違和感しかない」という批判が多いですよね。無理もないことだと思いました。
流石に事務所で働いている人に対して「使えないマスコット」と言うのは、いくらなんでもひどすぎると感じました。他にもほぼ初対面の王泥喜が事務所に入ることを決めた瞬間「釣れた」と言ったり、王泥喜を完全に見下していました。前作では成歩堂はいじられる側のキャラだったので、そりゃ違和感もあります。

これに限らず、今作って笑えないジョークが非常に多いんですよね。タクシューが久し振りに筆を取ったせいでしょうか? 123のようなコンスタントに笑いに溢れたテキストとは違って、キャラクターを蔑ろにして笑いを取ろうとするような文章が多かったです。
プレイヤーの分身とも言える主人公が周りの人物から舐め腐ったような態度を取られっぱなしというのは、やはりいい気持ちはしません。同じくプレイヤーを腹立たせるようなキャラは過去作でも度々登場していましたが、そのようなキャラは大抵犯罪を犯しているので、最終的に法廷で倒すことですっきりし、あまり気になりませんでした。
今作では周りの人物ではなく味方にあたるキャラなので、プレイヤーの手で倒すような展開にはならず、終始いい人扱いでストーリーが進みます。しかもそれが前作から引き続き登場したキャラなのですから、改悪されたという批判も浴びるでしょう。
成歩堂は1話では王泥喜を元気付けてくれたり、2話では事故を解決してくれた王泥喜に対してしっかり礼を言う、エピローグでは王泥喜のことを「自分の生きがい」と言うなど、王泥喜を後輩として大切にしてくれていることは推測できます。
同じく前作から引き続き登場したキャラには、宝月茜がいます。茜は終始ピリピリしていて王泥喜に対してかりんとんをぶつけるイメージが強いキャラで、成歩堂と同じく性格が改悪されたという声も多いです。しかしこれはたまたま機嫌が悪い日が多いだけであって、基本的にはイトノコ刑事と同様に、王泥喜に対して協力的な姿勢を見せてくれます。

このように茜も成歩堂も王泥喜に対して辛辣な態度こそ見せるものの、本心では買ってくれていることが伺えます。しかし、度々挟まれるライターのお遊びのようなテキストのせいで、王泥喜を馬鹿にしているようにしか見えないのです。プレイヤーは登場キャラの性格をこういう細かい描写から推測することしかできませんから、変なことを言ってると性格が改悪されているとか思われても仕方ありません。
……まあ、冗談でも辛辣な態度を見せたりすることがある時点で王泥喜を舐め腐っているとも取れ、性格が改悪されているとも言えますが。
・爽快感の欠如
良かった点の項目で少し触れましたが、あれだけ堂々としていた3話の真犯人が、ビビって自白して終わってしまったのが残念でした。
というか、共犯者であることを被告人がバラすだけのことが、決定的な証拠になるんですかね。被告人が罪を軽くする為に偽証したとも考えられますから、被告人の証言なんて法廷ではあまり力を持たないように感じます。なんだかしっくりこない終わり方でした。
まあ、3話は追い詰めていくまでの過程は楽しかったので、まだ良かったです。個人的に一番嫌だったのがラスボス戦でした。
証拠品をつきつける必要もなくダラダラと話が進んでいき、最終的にラスボスが自爆して終わります。爽快感なんて1ミリもありませんでした。


このシーンとかギャグかと思いました。裁判員制度を無理矢理取り入れたかったようにしか見えませんでした。
このラスボスはいくらなんでも間抜けすぎるせいで、ユーザー間ではネタキャラとしての立ち位置を確立しています。しかし、タクシューはこいつを狙ってネタキャラとして描いたわけでは絶対ないと思うので、反応に困りました。
3話の事件が破綻しまくってるとか、或真敷ザックの行動が意味不明などが、4が黒歴史と言われる最たる理由として槍玉に挙げられることが多いです。
しかし、これらの問題は自分としてはあまり気になりませんでした。整合性がとれていないムジュンというのは、どの作品でも少なからずあることですから。
個人的にはそのような破綻よりも、主要人物の掘り下げの少なさ、それに伴った爽快感の欠如などが僕が納得のいかなかった理由でした。
自分の周りでは「4は黒歴史って言われているけど、なんだかんだで面白い」という声も多いです。確かにそこら中の口コミで言われているほどのクソゲーではありませんでした。3話まではいつもの逆転裁判らしい雰囲気であり、事件の完成度も高水準で、普通に楽しむことができました。
良いところももちろんあった作品だったのですが、それでも前述の二つの不満点が大きすぎて、自分にとって好きになれるストーリーではありませんでした。
これにて逆転裁判シリーズは全てプレイし終えたことになります。遅すぎました。ようやく逆転裁判ファンを名乗れるようになった気がします。
個人的に好きな作品順に並べると、
1=検事2>2=3=6>検事>5>4>レイトン>大
となります。やはり1と2と3と検事2が自分の中では傑作です。特に1と検事2の話はお気に入りで、何度もやり直した覚えがあります。最近では6もこの4作品に並ぶぐらい楽しめたので良かったです。
大逆転裁判は以前の記事で書いた通りです。全てにおいて好きになれませんでした。これも上記で挙げた掘り下げ不足と爽快感のなさという二点が4以上に酷かったせいです。
こないだ大逆転裁判2の制作も発表されましたし、汚名返上となるかもしれません。今後の展開に期待ですね。
そういう経緯もあってこのゲームだけは、いつかはプレイしたいなーと考えながらもずっと購入を見送っていました。
そんな逆転裁判4でしたが、こないだついにiOS版が発売されました。公式から黒歴史扱いされてるとかなんとか言われてましたが、こうして発売もされましたし杞憂でしたね。
これでいつでもどこでも綺麗な画質で逆転裁判4が楽しめるということで、いい機会だと思って購入しました。

一昨日クリアできたので、ネタバレあり感想を書いていきたいと思います。
このゲームの批判点は他所で散々言い尽くされていると思いますし、リトバスの感想ほど長ったらしくは書きません。
良かった点
・逆転裁判らしい《逆転》をする裁判ポーカーでイカサマをしていたのは実は被告人ではなく被害者だった。被害者が撃たれたのは正面からではなく真後ろからだった。事件が起こったのは第三部中ではなく第二部中だった。
……など、プレイヤーが主人公を操作していき、何度も法廷を《逆転》させていくという快感は健在でした。裁判が始まった段階では「これ被告人以外に犯行可能な人物いなくない?」という状況の中から、小さなムジュンの指摘やハッタリを駆使し、事件の見方を根元から引っくり返していく。これぞ逆転裁判です。
取り扱われる事件は全て殺人事件で、全ての話で犯人をしっかり最後まで追い詰めてブレイクすることができるので、モヤモヤせずに終われた話は多かったです。
・やはり魅力的なキャラクターたち
逆転裁判といえば、個性の強い被告人!追い詰め甲斐のある真犯人!頭のおかしい証人!ということで。一括りにしてしまうと、変な奴ばっか出てくるゲームです。
逆転裁判4もシリーズの例に漏れず、濃いキャラばかり出てきました。モーションが印象に残りやすいキャラが多かったです。
個人的に印象に残ったキャラを一人挙げるなら、3話の真犯人のダイアン刑事です。

モーションのインパクトの強さもあるのですが、王泥喜に対する反証がしっかりしているのが良かったですね。証拠がない、それが完璧な立証とは言えない……を繰り返すような見苦しい言い逃れはしてこなかったので、ポイントが高かったです。彼を追い詰めていく際の爽快感は、歴代真犯人(ラスボスを除く)の追求の中でもトップクラスだったと思います。
それだけ手強かった犯人だっただけあって、最終的によくわからない自白で終わってしまったのは少し残念でした。動機も結局はなんだったのかわからず仕舞いでした。(プレイ中彼の動機は「実は密輸を目論んだのはチリョーレス症候群にかかった彼の友達を助ける為で、本当はこいつはイイ奴だったっていう話なのでは!?」と思ってましたが、普通にお金が欲しいだけの悪い人だったみたいですね。)
まあ、これは悪かった点の領分なので、詳しくは後述します。
・BGMが良い
世代交代がされたことでBGMが一新されました。(一部過去のBGMも使われていますが。)
シリーズでお馴染みの尋問、真実は告げる、追求などはどれもが素晴らしい完成度でした。特に4の尋問のアレグロは歴代でも一番お気に入りです。
他にも「王泥喜 法介 〜新章開廷!」「或真敷一座」など、印象に残る曲は非常に多かったです。総括的に、BGMにおいてはこの作品が一番好きかもしれません。
悪かった点
・キャラの掘り下げが少なすぎる一番は主人公の王泥喜でしょうか。どうして弁護士を目指したのかすら不明のまま終わってしまいました。これは感情移入ができなかったと言われても仕方ありません。
王泥喜は幼い頃に父と母と生き別れたという境遇を抱えていることが判明するのですが、本人がそのような境遇を語ったり示唆したりすることは一切ありませんでした。ここまで悲しい過去を背負っているのにも関わらずです。
今作では3話の証人が実は王泥喜の母親だったと判明する仕掛けがあります。彼女は王泥喜のことを気にかけているのにも関わらず、王泥喜は自分の母親のことを話したことは全くなかったです。ですから王泥喜は彼女のことをどう思っているのかなどがさっぱりわからず、彼女が母親だからどうしたんだと感じてしまいました。
関係が具体的にわからないという意味では、牙琉兄弟にも言えました。弟は兄のことをどう思っているのか?兄は弟のことをどう思っているのか?完全に不明でした。一応4話の時は何か悩んでいるそぶりは見せていましたが、具体的に語られることはありませんでした。
牙琉弟は3話で自分の相棒を追い詰め、4話では自分の実兄を追い詰めることになり、影ながら悲劇に見舞われているキャラです。ですから何か葛藤したりカタルシスを感じさせたりする展開はないのかと思いましたが、ダイアンも牙琉兄もほぼ赤の他人のように扱っていました。
あまりにも葛藤されると公私混同となるので、検事としては正しいことだと思います。しかし牙琉弟は3話の探偵パートなどでは人間らしさを何度も覗かせていたキャラなので、そのような人間ドラマを感じさせられる描写がないのはつまらなかったです。
他にも牙琉兄が天才と呼ばれていた具体的な理由がない、みぬきが終始明るく振舞うだけのキャラでヒロインらしさがないなど、全体的に主要キャラの掘り下げが少なすぎました。
成歩堂シリーズでは1の時点から主人公が弁護士になったきっかけを語ってくれ、ヒロインも2話で被告人になる過程を経てプレイヤーから守ってあげたいと思わせてくれるキャラでした。今作では主人公たちが自分の今の性格に基づいた過去を語ること、事件などでキャラ同士の人間関係を掘り下げることはほぼなかったので、どのキャラにも感情移入が非常にしにくかったです。
まあ、4はほとんど成歩堂がメインの話だったので、新規キャラの描写に尺は割けなかったのかもしれませんね。
・キャラの細かい描写が変
4は「成歩堂の性格に違和感しかない」という批判が多いですよね。無理もないことだと思いました。
流石に事務所で働いている人に対して「使えないマスコット」と言うのは、いくらなんでもひどすぎると感じました。他にもほぼ初対面の王泥喜が事務所に入ることを決めた瞬間「釣れた」と言ったり、王泥喜を完全に見下していました。前作では成歩堂はいじられる側のキャラだったので、そりゃ違和感もあります。

これに限らず、今作って笑えないジョークが非常に多いんですよね。タクシューが久し振りに筆を取ったせいでしょうか? 123のようなコンスタントに笑いに溢れたテキストとは違って、キャラクターを蔑ろにして笑いを取ろうとするような文章が多かったです。
プレイヤーの分身とも言える主人公が周りの人物から舐め腐ったような態度を取られっぱなしというのは、やはりいい気持ちはしません。同じくプレイヤーを腹立たせるようなキャラは過去作でも度々登場していましたが、そのようなキャラは大抵犯罪を犯しているので、最終的に法廷で倒すことですっきりし、あまり気になりませんでした。
今作では周りの人物ではなく味方にあたるキャラなので、プレイヤーの手で倒すような展開にはならず、終始いい人扱いでストーリーが進みます。しかもそれが前作から引き続き登場したキャラなのですから、改悪されたという批判も浴びるでしょう。
成歩堂は1話では王泥喜を元気付けてくれたり、2話では事故を解決してくれた王泥喜に対してしっかり礼を言う、エピローグでは王泥喜のことを「自分の生きがい」と言うなど、王泥喜を後輩として大切にしてくれていることは推測できます。
同じく前作から引き続き登場したキャラには、宝月茜がいます。茜は終始ピリピリしていて王泥喜に対してかりんとんをぶつけるイメージが強いキャラで、成歩堂と同じく性格が改悪されたという声も多いです。しかしこれはたまたま機嫌が悪い日が多いだけであって、基本的にはイトノコ刑事と同様に、王泥喜に対して協力的な姿勢を見せてくれます。

このように茜も成歩堂も王泥喜に対して辛辣な態度こそ見せるものの、本心では買ってくれていることが伺えます。しかし、度々挟まれるライターのお遊びのようなテキストのせいで、王泥喜を馬鹿にしているようにしか見えないのです。プレイヤーは登場キャラの性格をこういう細かい描写から推測することしかできませんから、変なことを言ってると性格が改悪されているとか思われても仕方ありません。
……まあ、冗談でも辛辣な態度を見せたりすることがある時点で王泥喜を舐め腐っているとも取れ、性格が改悪されているとも言えますが。
・爽快感の欠如
良かった点の項目で少し触れましたが、あれだけ堂々としていた3話の真犯人が、ビビって自白して終わってしまったのが残念でした。
というか、共犯者であることを被告人がバラすだけのことが、決定的な証拠になるんですかね。被告人が罪を軽くする為に偽証したとも考えられますから、被告人の証言なんて法廷ではあまり力を持たないように感じます。なんだかしっくりこない終わり方でした。
まあ、3話は追い詰めていくまでの過程は楽しかったので、まだ良かったです。個人的に一番嫌だったのがラスボス戦でした。
証拠品をつきつける必要もなくダラダラと話が進んでいき、最終的にラスボスが自爆して終わります。爽快感なんて1ミリもありませんでした。


このシーンとかギャグかと思いました。裁判員制度を無理矢理取り入れたかったようにしか見えませんでした。
このラスボスはいくらなんでも間抜けすぎるせいで、ユーザー間ではネタキャラとしての立ち位置を確立しています。しかし、タクシューはこいつを狙ってネタキャラとして描いたわけでは絶対ないと思うので、反応に困りました。
おわりに
結論:大逆転裁判よりは面白かったけどナンバリングの中では一番つまらなかった3話の事件が破綻しまくってるとか、或真敷ザックの行動が意味不明などが、4が黒歴史と言われる最たる理由として槍玉に挙げられることが多いです。
しかし、これらの問題は自分としてはあまり気になりませんでした。整合性がとれていないムジュンというのは、どの作品でも少なからずあることですから。
個人的にはそのような破綻よりも、主要人物の掘り下げの少なさ、それに伴った爽快感の欠如などが僕が納得のいかなかった理由でした。
自分の周りでは「4は黒歴史って言われているけど、なんだかんだで面白い」という声も多いです。確かにそこら中の口コミで言われているほどのクソゲーではありませんでした。3話まではいつもの逆転裁判らしい雰囲気であり、事件の完成度も高水準で、普通に楽しむことができました。
良いところももちろんあった作品だったのですが、それでも前述の二つの不満点が大きすぎて、自分にとって好きになれるストーリーではありませんでした。
これにて逆転裁判シリーズは全てプレイし終えたことになります。遅すぎました。ようやく逆転裁判ファンを名乗れるようになった気がします。
個人的に好きな作品順に並べると、
1=検事2>2=3=6>検事>5>4>レイトン>大
となります。やはり1と2と3と検事2が自分の中では傑作です。特に1と検事2の話はお気に入りで、何度もやり直した覚えがあります。最近では6もこの4作品に並ぶぐらい楽しめたので良かったです。
大逆転裁判は以前の記事で書いた通りです。全てにおいて好きになれませんでした。これも上記で挙げた掘り下げ不足と爽快感のなさという二点が4以上に酷かったせいです。
こないだ大逆転裁判2の制作も発表されましたし、汚名返上となるかもしれません。今後の展開に期待ですね。