
青いファンタジー
暁WORKSより2008年6月26日に発売されたアドベンチャーゲーム、『るいは智を呼ぶ』をクリアしました。

三年前だか四年前に5pbのセールで購入して、そのまま積んでいたゲームです。
友人が高評価していたゲームということもあって今年中にはプレイするつもりでいたのですが、まとまった時間を中々取ることができず、六月に入ってからようやく手を付けることができました。
ゲームのジャンルとしては女装ものとなります。図らずもつり乙シリーズに続いて女装ものをプレイすることになりましたが、そういった趣味に目覚めたわけではありません。本当です。
女装ものといえば主人公が男の娘でそのきゃわわなところを愉しむというのがメインではあると思います。本作も特徴としてはそういったお約束を孕んでいるものの、その実態としてはガチガチのシナリオゲーだったと思います。
『呪い』という現象を抱えて生まれた少女達は、この呪われた世界の中でどうやって生きていくのか? そういった少女達の群像劇が見どころの作品となっています。
以下はネタバレを踏まえた感想となります。
漠然としてしか登場していなかった呪いがどういった現象なのか明かされることになります。
正直呪いは抽象的な表現か何かかと思っていたので驚きました。こんなSFなシナリオだとは思っていなかったです。
六人で協力してミッションを遂行するのは熱かったですね。ヒロイン全員が各自の才能を生かして活躍するというのは、後の個別でも見られなかった展開でした。
オチはお約束というような真実ではありましたが、それでもるいの父親が自身の人生を賭けて娘を愛していたということには、心を揺さぶられるものがありました。
何よりも、茜子ルートで明かされる智の家族の事実とは真逆の結末という。最初のルートが最終ルートのアンチテーゼになってるというのもこのゲームのままならないところです。
花鶏が助けを求めた瞬間の答え合わせ感は異常でした。他のルートからやっていれば明言されていたことなのでしょうけど。
本ルートの花鶏は仲間に対して冷たい態度を取り続け、一人で行動を起こしては智共々危機に陥り、呪いを踏んで智に深い傷を負わせたということで、見せ場という見せ場がなかったのが残念でした。
呪いを自ら踏んで智を助けるというのは勇気以外の何物でもなかったと思いますが、元はと言えばああなったのは花鶏のせいなので、もう少し何とかならなかったのかと思いました。
まあ、その不器用さも含めて花鶏という女の子なのでしょうかね。同盟の中でもどことなく宗教染みた固定観念を持っており、手遅れになるまで一人で突っ走ることを止められなかったと。
正直生まれ持った呪いがあればこうして性格そのものに影響を受けるのは必然ですし、花鶏が異常と言うよりは他のメンツが前向きすぎました。
キャラとしてはやべーやつすぎてとても好きです。
同盟がどういうわけか何でも屋のようなことを始めるという、他とは一風変わったルート。
表の世界で生きている人々を見下ろしながら、呪いを持った自分達『子供』は裏の世界で生きていく。智達が辿り着いた結論としては五ルートで一番すっきりしていましたね。
自分もかなり好きなEDではありましたが、智は姉とは会えないままだし、惠はこれからも人を殺し続けるだろうし、そもそも誰かがこの先いつ呪いを踏んでもおかしくないわけなので、解決になってないといえば解決になってないと思います。
こよりはヒロインとしては一番好きです。キャラとしては後ろ暗い部分がなく、ひたすらにいい子だったなぁという印象でした。
他のルートと雰囲気が違うとは思いましたが、そういえばこのルートだけはノロイが出現しないんですよね。敵をこよりの姉ちゃんのみに絞ったシナリオでした。
あとこよりが音声認証の扉を普通に開けていたのはツッコむ所だったのでしょうか。
こよりルートのハッピーエンド具合から一転して、あまりにも重すぎるルートでした。
解呪の真相に大きく近付いていくルートとなるわけですが、近付けば近付く程不穏になっていき。結局解決どころかより多くの謎を生み出したまま終わってしまいます。
最終ルートの直前にプレイすることが推奨されている理由もわかりました。この後に花鶏ルートやこよりルートをやっても頭に入らないです。
伊代は典型的なみんなのまとめ役委員長キャラ……かと思いきや、空気が読めないことを弄られたり話し方がじれったいと言われたり、とにかく不憫すぎる女の子。
珍しいタイプのキャラだと思いましたし、キャラとしては一番魅力的に感じました。喋る度に央輝にブチ切れられていたのは笑いました。
茜子ルートの呪いを解く場面で伊代が真っ先に呪いを踏むというのも良かったですね。最後の最後で空気を読んだのかもしれない。
まさかこのロリっ子(?)のルートがグランドエンディングとは思いませんでした。
呪いのキツさという意味ではヒロインの中で一番重いと思います。るいや伊代の呪いも喋っていればうっかり踏んでしまうレベルにめんどくさいと思いますが、茜子の呪いは生活に大きく支障をきたします。
何よりもこのゲームがエロゲであることを考えると色々と詰んでいるので、大きな障害となっていました。
めでたしめでたしで丸く収まったメインヒロインのルートとは違って、茜子の境遇はどうしようもないものでした。そういう意味でこのヒロインのルートがグランドエンディングとなるのはぴったりだったかもしれません。
遂には呪いを解ける一歩手前まで辿り着いたものの、呪いを解いてしまうと惠が死んでしまう。しかし、呪いを解かなかったら茜子や央輝が死んでしまう。
最後の最後で最悪の真実に辿り着き、八方塞がりの状況に陥るからこそ、この世界と少女たちは呪われているということを実感させてくれる作品なのだと思います。
最終的には惠の自己犠牲によって本作は幕を閉じます。
惠の呪いは最後まで明言されることはありませんでした。正直ヒントはばら撒かれていたので薄々察してはいますし、今更わかったところで感はありますが、まあファンディスクをやりましょうということでしょうか。
以上の通りに推奨攻略順に従ってプレイして行ったのですが、後続のルートほど真相が紐解かれる感覚があったので面白かったです。
シナリオゲーとしてはテキストが持って回った言い回しが多すぎるのと、ジャンルが女装ものなので好みが分かれる部分はあると思いました。
自分も実際そういった理由で手を出しにくかったゲームなのですが、「真実は〇〇だ」というドッキリに特化した話よりは、こういった「真実は〇〇な上でどうあるべきか」という群像劇を描いた作品の方が好みなので、自分に合っていたと感じました。
ファンディスクも近い内にプレイしたいですね。

三年前だか四年前に5pbのセールで購入して、そのまま積んでいたゲームです。
友人が高評価していたゲームということもあって今年中にはプレイするつもりでいたのですが、まとまった時間を中々取ることができず、六月に入ってからようやく手を付けることができました。
ゲームのジャンルとしては女装ものとなります。図らずもつり乙シリーズに続いて女装ものをプレイすることになりましたが、そういった趣味に目覚めたわけではありません。本当です。
女装ものといえば主人公が男の娘でそのきゃわわなところを愉しむというのがメインではあると思います。本作も特徴としてはそういったお約束を孕んでいるものの、その実態としてはガチガチのシナリオゲーだったと思います。
『呪い』という現象を抱えて生まれた少女達は、この呪われた世界の中でどうやって生きていくのか? そういった少女達の群像劇が見どころの作品となっています。
以下はネタバレを踏まえた感想となります。
るいルート
漠然としてしか登場していなかった呪いがどういった現象なのか明かされることになります。
正直呪いは抽象的な表現か何かかと思っていたので驚きました。こんなSFなシナリオだとは思っていなかったです。
六人で協力してミッションを遂行するのは熱かったですね。ヒロイン全員が各自の才能を生かして活躍するというのは、後の個別でも見られなかった展開でした。
オチはお約束というような真実ではありましたが、それでもるいの父親が自身の人生を賭けて娘を愛していたということには、心を揺さぶられるものがありました。
何よりも、茜子ルートで明かされる智の家族の事実とは真逆の結末という。最初のルートが最終ルートのアンチテーゼになってるというのもこのゲームのままならないところです。
花鶏ルート
花鶏が助けを求めた瞬間の答え合わせ感は異常でした。他のルートからやっていれば明言されていたことなのでしょうけど。
本ルートの花鶏は仲間に対して冷たい態度を取り続け、一人で行動を起こしては智共々危機に陥り、呪いを踏んで智に深い傷を負わせたということで、見せ場という見せ場がなかったのが残念でした。
呪いを自ら踏んで智を助けるというのは勇気以外の何物でもなかったと思いますが、元はと言えばああなったのは花鶏のせいなので、もう少し何とかならなかったのかと思いました。
まあ、その不器用さも含めて花鶏という女の子なのでしょうかね。同盟の中でもどことなく宗教染みた固定観念を持っており、手遅れになるまで一人で突っ走ることを止められなかったと。
正直生まれ持った呪いがあればこうして性格そのものに影響を受けるのは必然ですし、花鶏が異常と言うよりは他のメンツが前向きすぎました。
キャラとしてはやべーやつすぎてとても好きです。
こよりルート
同盟がどういうわけか何でも屋のようなことを始めるという、他とは一風変わったルート。
表の世界で生きている人々を見下ろしながら、呪いを持った自分達『子供』は裏の世界で生きていく。智達が辿り着いた結論としては五ルートで一番すっきりしていましたね。
自分もかなり好きなEDではありましたが、智は姉とは会えないままだし、惠はこれからも人を殺し続けるだろうし、そもそも誰かがこの先いつ呪いを踏んでもおかしくないわけなので、解決になってないといえば解決になってないと思います。
こよりはヒロインとしては一番好きです。キャラとしては後ろ暗い部分がなく、ひたすらにいい子だったなぁという印象でした。
他のルートと雰囲気が違うとは思いましたが、そういえばこのルートだけはノロイが出現しないんですよね。敵をこよりの姉ちゃんのみに絞ったシナリオでした。
あとこよりが音声認証の扉を普通に開けていたのはツッコむ所だったのでしょうか。
伊代ルート
こよりルートのハッピーエンド具合から一転して、あまりにも重すぎるルートでした。
解呪の真相に大きく近付いていくルートとなるわけですが、近付けば近付く程不穏になっていき。結局解決どころかより多くの謎を生み出したまま終わってしまいます。
最終ルートの直前にプレイすることが推奨されている理由もわかりました。この後に花鶏ルートやこよりルートをやっても頭に入らないです。
伊代は典型的なみんなのまとめ役委員長キャラ……かと思いきや、空気が読めないことを弄られたり話し方がじれったいと言われたり、とにかく不憫すぎる女の子。
珍しいタイプのキャラだと思いましたし、キャラとしては一番魅力的に感じました。喋る度に央輝にブチ切れられていたのは笑いました。
茜子ルートの呪いを解く場面で伊代が真っ先に呪いを踏むというのも良かったですね。最後の最後で空気を読んだのかもしれない。
茜子ルート
まさかこのロリっ子(?)のルートがグランドエンディングとは思いませんでした。
呪いのキツさという意味ではヒロインの中で一番重いと思います。るいや伊代の呪いも喋っていればうっかり踏んでしまうレベルにめんどくさいと思いますが、茜子の呪いは生活に大きく支障をきたします。
何よりもこのゲームがエロゲであることを考えると色々と詰んでいるので、大きな障害となっていました。
めでたしめでたしで丸く収まったメインヒロインのルートとは違って、茜子の境遇はどうしようもないものでした。そういう意味でこのヒロインのルートがグランドエンディングとなるのはぴったりだったかもしれません。
遂には呪いを解ける一歩手前まで辿り着いたものの、呪いを解いてしまうと惠が死んでしまう。しかし、呪いを解かなかったら茜子や央輝が死んでしまう。
最後の最後で最悪の真実に辿り着き、八方塞がりの状況に陥るからこそ、この世界と少女たちは呪われているということを実感させてくれる作品なのだと思います。
最終的には惠の自己犠牲によって本作は幕を閉じます。
惠の呪いは最後まで明言されることはありませんでした。正直ヒントはばら撒かれていたので薄々察してはいますし、今更わかったところで感はありますが、まあファンディスクをやりましょうということでしょうか。
以上の通りに推奨攻略順に従ってプレイして行ったのですが、後続のルートほど真相が紐解かれる感覚があったので面白かったです。
シナリオゲーとしてはテキストが持って回った言い回しが多すぎるのと、ジャンルが女装ものなので好みが分かれる部分はあると思いました。
自分も実際そういった理由で手を出しにくかったゲームなのですが、「真実は〇〇だ」というドッキリに特化した話よりは、こういった「真実は〇〇な上でどうあるべきか」という群像劇を描いた作品の方が好みなので、自分に合っていたと感じました。
ファンディスクも近い内にプレイしたいですね。