
【レビュー】コロッケ!3 グラニュー王国の謎

シナリオ・・・★★★★☆
オリキャラ魅力・・・★★★★★
キャラ総数・・・★★☆☆☆
快適性・・・★★☆☆☆
戦闘・・・★★★★☆
BGM・・・★★★☆☆
オリキャラ連中はシリーズで最も個性派揃いだったと思います。
一番存在感があったのは、シナリオのキーパーソンとなっていたプラムでしょうか。
そもそもコロッケ!シリーズの女性バンカーは敵幹部かなんかであることが多く、味方サイドにいることは珍しかったので、そういう意味で印象に残った方も多いと思います。
他の味方の女性バンカーはゲームでのみガチ戦闘要員と化すポー姉さんと、アニメオリジナルキャラクターのドロップぐらいでしょうか。
彼女たちと比べてもプラムはシナリオの中心人物となっており、コロッケ!シリーズでも数少ない真っ当にヒロインしていたキャラクターと言えるかもしれません。立ち絵の顔パターンもやたら多かった気がするので力が入ってました。
サーロインのおっちゃんも地味に人気が高いと思います。
単純にキャラクターとして渋い魅力はあると思うのですが、ゲーム中の性能が非常に玄人向けというか、言葉を選ばずに言ってしまうと最弱キャラ筆頭であり、愛されているキャラクターです。
初めてサーロインを使わされる強制戦闘で、あまりの使いづらさに雑魚兵相手に苦戦させられるプレイヤーは多いと思います。下手したら負けますからね。
重厚な鎧とあの体格では無理もないのですが、フィールドの移動速度もめちゃめちゃに遅く設定されているので、せっかくのゲームオリジナルキャラクターなのにほとんど使えずに終わってしまうことも珍しくありません。
ラスボスのゴーヤも色々な意味でインパクトを残してきたキャラクターだと思います。
CVはあの若本規夫さんです。必殺技ボイスの独特過ぎる口調が印象的でした。
封印された魔王という設定なのですが、一人称がオレっちだったりアロハシャツを着ていたりと、とても個性の強い人物でした。
実際に対峙した時の強さで言っても、初期状態ではまず勝つことはできないほどにパラメータが高く設定されているので、泣かされたプレイヤーも少なくないと思います。自分もその一人でした。
キャラ総数は前作より増えるどころか減りました。
と言ってもこれはオリジナルキャラクターが減ったことによる生じた変化であり、そこまで気になるものではなかったです。
原作に登場していたキャラクターとしては、クシカツとタンタンメンが使えなくなった代わりに、ダイフクーとバーグが新たにプレイアプルとして参戦しました。
ダイフクーは新たに使えるようになったというより、PS版から復活した形となりますね。
当時は単なるモブという印象が強かった彼ですが、アニメでレギュラー待ったなしの優遇をされまくったことによって、紛れもないコロッケファミリーの一員と呼ぶことができるキャラへと昇華したと思います。
今回めでたく参戦したことも、今見てみれば違和感がないと思います。当時見れば違和感があったのかもしれませんが。
コロッケの父親にして伝説のバンカーであるバーグは、対戦モード限定で使えるキャラクターです。
このバーグの入手方法ですが、2004年のワールドホビーフェアの配信を受け取るか、GC版「コロッケ! バン王の危機を救え」と連動させて受け取るかしかありません。
要するに現状では後者の入手手段しかない激レアキャラクターなので、持っている人は友達にマウントを取ることができます。
また、前作までと比較すると新必殺技も増加しました。
BS編を締めくくった技であるコロッケの「108ハンバーグー」が、超必殺技として満を持して登場です。
他にもウスターの「ツメトギスラッシュS」、リゾットの「スナイピングゼロ」など、ゲームオリジナルの必殺技もいくつか追加されました。
2は1と比べると必殺技の種類にはほとんど変更がなかったので、これは嬉しい変化でした。
バトルシステムは前作の3on3の勝ち抜き戦が撤廃され、最大2vs2のチームバトルとなりました。
このチームバトルは本作の目玉システムであり、ストーリーの随所で発生していきます。
ガチ考察している方がいらっしゃるようで、おそらく最も開拓がされていると思います。
前作と違ってガードしていてもテンションゲージが減るなどのデメリットはありませんが、削りダメージは普通に喰らいまくる上に、ノックバックが多すぎてあっという間に画面端に追いやられてしまうので、バランスは取れていると思います。
次回作では空中攻撃の仕様が変わってしまったことで、スピーディーな差し合いを最も楽しむことができるのが本作だと思われるので、人によってはシリーズ史上最高傑作かもしれません。
快適性についてですが、本作は超テンポ劣悪ゲーだった前作と比較すると恐ろしくテンポが良く、凄まじくサクサク進むようになりました。
どのくらいサクサクかと言うと、前作とは対極を行くボリュームであり、気付いた時にはあっという間にクリアしてしまえるレベルです。……ということで、テキストをしっかり読んでも一時間半程度でエンディングまで到達できるというまさかの激薄ボリュームとなりました。
前述のオリジナルキャラクターの完成度もあって、お話自体は面白いと感じたのですが、とにかくキャラクターを動かせる機会が少なすぎました。
具体例を挙げるとすると、リゾットは雑魚敵との強制戦闘二回のみでフィールド操作は一切なし、フォンドヴォーは一度クソ短い道を歩かされただけで出番終了、プラムは負けイベントで一度使わされることがあるのみです。
何がやばいかと言うとコロッケとサーロイン以外のキャラはみんなこんな感じということであり、不遇なキャラは挙げていったらキリがありません。本作のストーリーではコロッケとサーロイン以外のキャラクターはまともに操作することができないと言っても過言ではないと思います。
2みたいにギミックを水増しされてもそれはそれで冗長なのですが、流石にこの薄さはあんまりだと感じました。
一応前述の通り、ラスボス戦は初期状態ではまず勝てないレベルの強さに設定されているので、実際に初見プレイで一時間半で終わらせることは非常に厳しいです。
まともにやり合って勝ちたいのならば、修行モードでコロッケのレベリングをする必要があります。そのレベリングにかかる時間がおそらく一時間か二時間ぐらいなので、実際にエンディングを迎えるには倍は時間をかける必要があります。
……まあ、本筋とは無関係に一生CPUタロをしばいているだけの時間なんて虚無でしかないですから、これを正式なクリア時間としてカウントするには無理がありますが。
ちなみに二周目以降限定で見れる真エンドがあるにはあるのですが、最後にほんのちょっとだけイベントが追加された程度のものであり、複雑な到達条件も特にないですから、本編に組み込めばいいやん感が拭えなかったです。
やはり3はオリキャラ魅力が天下一だと思います。
このシリーズの味方のゲームオリジナルキャラクターは、そもそもいなかったり異常に叩かれてしまっていたりしていることも多いですが、その点本作は完成度が段違いだと感じました。
戦闘も非常にスピーディーであり、2vs2の戦闘はテンポも良いですから、個人的には遊んでいて一番面白かったです。
残念だったのは圧倒的なボリューム不足というただ一点のみでした。
前作は冗長でしたが、本作は逆に短すぎます。こうも極端になってしまうとは。
薄いということは逆に言えば面倒臭い戦闘がないということなので、シナリオ自体は綺麗にまとまっていますから、忙しい社会人の方が今からプレイするのには向いているかもしれません。