
【ドラゴンクエストⅧ 空と海と大地と呪われし姫君】クリアしました

二ヶ月前にクリアした「ドラゴンクエストⅧ 空と海と大地と呪われし姫君」のリメイク版の感想・レビューです。
大体3000字ぐらいの文章になります。ストーリーの核心に関わるようなネタバレは書いていません。
実はこのゲームは発売日に購入したのですが、手元のNew3DSがぶっ壊れてしまった関係で満足に遊ぶことができず、放置していました。
最近はドラゴンクエストヒーローズという面白いゲームやドラゴンクエストライバルズとかいう変なゲームをプレイしていたこともあり、エイトやククールやゼシカにも愛着が沸いてきた頃だったので、本家の方の続きをプレイしたくなりました。
いっそのこと新しくスマホ版を買ってしまおうかとも思っていましたが、壊れていない古い3DSを発掘することで、無事問題なく続きを遊べるようになりました。めでたしめでたし。
概要
今や日本を代表するゲームとなった、「ドラゴンクエスト」シリーズの第8作です。
出荷本数は日本国内では370万本、全世界も含めると490万本であり、シリーズでは「ドラゴンクエストIX」に次ぐ数を記録しているそうです。ということで、ドラクエシリーズの中でもトップクラスにポピュラーな作品だと言われています。
ちなみに我らがレベルファイブの出世作でもあったりします。
ストーリー ★★★☆☆

極めて王道なストーリーでしたね。
仲間達は酒場で雇ったわけでも生まれ持った使命がそうさせたわけでもなく、共通の目的を持ったことによってエイトのパーティの一員となりました。個人的には一番好きな形です。
ただ、プレイしていてもどかしいところはありました。
特に主人公の目の前で人が死んでいくことが多すぎて。既プレイの人達からは見殺しツアーと比喩されています。
話の進行上仕方ない部分もあるのですが、それにしても見殺しすぎですよね。キャラクターが殺害される前に負けバトルを挟むとか、主人公達のいないところで殺害されるとか、少なからずやりようはあったと思います。何故かイベントの最中に棒立ちしまくっていたので違和感が拭えませんでした。
それでも、歴代のドラクエシリーズの中では比較的しっかりしていたシナリオだったと思います。
町に到着する度にプチイベントが起こってそれの解決に向かうというのは、もはやRPGの鉄板とも言うべきシチュエーションですが、後味の悪い話はあまりなくてサブキャラもみんな魅力的に描かれていました。
ドラクエシリーズの話といえば主人公や仲間が†選ばれし者†だったりするパターンがほとんどなのですが、本作はエンディングを迎えるまではそういった話とは無縁なので、全く強制されているような感覚がなかったのが良かったです。
戦闘 ★★★★☆

シリーズ作品の中ではかなり歯応えがあった方だと思います。
今でこそドラクエシリーズではおなじみとなった「スキル」というシステムですが、これが初めて取り入れられたのは本作ドラクエ8からです。
キャラクターを自分好みに育てられるようになったほか、習得呪文・特技がバラエティに富み、一人一人のできることがとても増えました。戦略性は抜群に上がっていると思います。
リメイク版限定の話になりますが、PS2版で猛威を振るっていた「双竜打ち」という特技が弱体化してしまったので、露骨なバランスブレイカーはなくなりました。
「チーム呼び」は据え置きですけどね。あれは元々戦闘中に一度しか使えない特技というのと、バトルロードをやり込むことに意義を持たせるための強さ設定だと考えれば、個人的には許せました。リメイク版のバトルロードは制覇すればモリーがもれなくプレゼントされるので、別にここまで強くなくても良い感はありましたが。
なんにせよ、パーティメンバーが四人から六人に増えたことでヌルゲーになるのかと思いきや、ゲルダ加入後から戦うことになるボスは全員大幅に強化されているという調整がされていました。
具体的にはほとんどのボスのHPが約1.5倍になりました。加えてただでさえ強かったあの害鳥が「メダパーニャ」、終盤で戦うことになるあのボスが「ザラキ」とかを使ってくるようになりました。
また、PS2版では最弱魔王との呼び声も高かったラスボスさん。彼については行動パターンの見直しだったり、一部の特技の火力が倍になったりなど、これでもかというぐらいテコ入れがされました。
体感では歴代のラスボスの中でも一番手強かったです。プレイヤーがどのくらいレベルを上げたのかにもよると思いますが。
ストレートで進んできた場合はレベルが足りないのでまず勝てませんし、耐性装備をつけなければ即死してしまう特技があったりで、とにかくしんどかったです。
そんなわけでライト層殺しなゲームになっているかと言われると、実際のところはそうでもなく、レベルを上げればしっかり攻略できます。
3DS版はシンボルエンカウント方式になったことによって、メタル狩りの効率が大幅にアップ。レベリングが極めて楽になりました。
RPGに慣れていない人はレベリングをこまめにやれば攻略できますし、スキルのおかげでレベル上げの中毒性も上がっていますから、ゲーム難易度としては非常に良い塩梅として仕上がっていたと思います。
キャラクター ★★★★☆

キャラ魅力に関してはドラクエ11クラスはあるのではないでしょうか。ナンバリング作品の中でイベントパートがフルボイス(になる予定)なのは8と11だけなので納得の完成度です。
メインキャラの総数はシリーズでも少ない部類に入ると思いますが、個性派揃いなせいで全く飽きませんでした。
仲間会話があるのも大きいですね。それぞれが思惑を抱いて旅をしているので、「なんか知らんけどみんな最後までついてきてくれた」というような変なことを全く感じさせませんでした。
前述の通り仲間達のほとんどは確固たる自分の意志で主人公の仲間となることを選択したので、人物像がとても掴みやすかったです。
私のお気に入りはククールとマルチェロです。二人とも素直じゃないところが良いですよね。3DS版の追加イベントは涙なしには見られません。
前述の通りスキルのおかげでパーティメンバー一人一人のできることが増え、キャラクターの印象付けにも一役買っていると思います。仲間全員がとても頼りになるんですよね。
ただ、ヤンガスだけは少し調整不足じゃないかな? と感じました。
どう見ても戦士タイプなキャラなのですが、力や身の守りがそこまで飛びぬけて高いというわけではなく、どうにも扱いにくかったです。PS2版では最終的に全てのステータスが主人公以下になってしまうとか。
ゲルダは「ベホマ」「精霊の舞」、モリーは「ザオリク」「ベホイミ」という使いやすい回復サポートを習得できますが、ヤンガスにはそれがありません。素早さが最低値なのを補ってくれるような強みがあまり感じられませんでした。
クリア後は種族特攻の武器や特技を活かして立ち回れば活躍できるらしいですが、クリアまでは他の仲間と比べるとどうしても格落ちしてしまった印象です。
まあ、この辺りは戦闘バランスの話なので、キャラ魅力とはそこまで関係ありませんね。
総評 ★★★★☆
このゲームで何よりも目を引くのは、キャラクター性だったと思います。
仲間会話以外の場面でも仲間が発言する箇所は多く、イベントパートがフルボイスであることも相まって、シリーズの中では1,2を争うぐらいキャラゲー寄りの作品でした。ハマる人はハマるゲームです。
8をベースに製作したのが11だったのでしょうかね。8の反省点を踏まえて描いたかのようなイベントも11にはありましたし、似ている部分が多かったと感じました。
戦闘バランスも良く、シナリオもまずまずで、ゲーム初心者のママからゲーム上級者のオタクまで満足できるゲームだったと思います。
ドラクエシリーズの入門、ひいてはRPGの入門のゲームとして自信を持って進められる作品です。
