
【ドラゴンボール超 ブロリー】感想 ※ネタバレ注意

「ドラゴンボール超 ブロリー」を観に行ってきました。
自分はドラゴンボールのメディア展開については疎く、ドラゴンボール超は宇宙サバイバル編から見ただけですし、これまでの映画も半分ぐらいしか観れていないと思います。
しかし、原作に関しては子供の頃に10周以上読んだこともあり、ドラゴンボールという作品についての思い入れは深いです。自分の中で好きな漫画TOP3には確実に入る作品です。
原作勢ということで映画も観に行く予定はなかったのですが、実際に観に行った人達の評価は高く、友達に勧められたということもあって、この度は観に行くことにしました。
一応これまでのブロリーが出てくる映画は全部観れているので、ブロリーというキャラクターに対しての理解はある程度はあり、楽しむことはできました。別に観ていなくても全然話は理解できる作品でしたが。
とても面白い映画だったので、3000字程度の簡潔さですが感想を書いていこうと思います。
前述の通り原作にないエピソードについては詳しくないので、間違ったことを書いていたらごめんなさい。
ネタバレを踏まえた文章となっているので、まだ観ていない方はこんなクソ記事を読む暇があったら映画館に行ってください。お願いします。
サイヤ人の過去
今作のメインキャラクターである悟空・ベジータ・ブロリーのルーツ、及びサイヤ人達の過去が描かれました。
ここの回想における出来事、ひいてはブロリーやパラガスのキャラ設定も、従来の作品で語られていたものとは大幅に異なっていたと思います。
みんな大好きバーダックも登場しましたが、いきなり切れ者で息子想いのキャラクターへと変貌していました。
Zにおけるバーダックが活躍する「たったひとりの最終決戦」のエピソードは好きだったので、あれがなかったことにされたのはちょっと残念でしたが、こっちのパパらしさがある感じも好みです。
この辺りの改変は賛否が分かれると思いますが、バーダックは原作には2コマしか出ていないキャラですし、ベジータ王とパラガスとブロリーはそもそも原作に登場していないので、まだ許せる範疇ではあります。全く別の世界の話だと考えるしかないですね。
原作設定との齟齬といえば、ベジータがフュージョンのことを知らなかった終盤のくだりぐらいでしょうか。バーダックも原作でフリーザが言っていた通りに最後まで抵抗して戦っていたようには見えなかったので、矛盾ではありましたが。
ドラゴンボールを求めて
描かれたのはZ戦士達の日常です。
宇宙サバイバル編の後の物語ということで、フリーザが普通にピンピンしている世界というのが面白いですね。
フリーザの「身長を5cm伸ばしたい」という願いは正直笑いました。
人によってはキャラ崩壊と感じるかもしれませんが、近年のフリーザはお馴染みの存在になりすぎているので、こういったコミカルな味付けがされても良いと思いました。
今作のフリーザはサイヤ人同士の戦いからは完全に蚊帳の外でしたが、彼の地力を考えると仕方ないのかもしれません。あまり戦わない分台詞の数はやたら多かった気がします。
ある意味ではキーパーソンだった女の子、チライ。かなり舞台を掻き回してくれたものですが、彼女がいなかったらこの激闘もありませんでしたし、悟空とブロリーが仲良くなることもなかったのでしょうね。
こういう非戦闘員キャラクターが裏で暗躍するのもドラゴンボールの醍醐味だったり。するのかもしれません。
悟空&ベジータvsブロリー
いよいよ開戦です。
いきなりバトルシーンの作画がとんでもなかったですね。キャラクターが飛びながら気弾を出しながら戦うこの派手な戦闘は、やはりドラゴンボールならではだと思いました。
監督の発言通り、超サイヤ人ゴッドと超サイヤ人ブルーは戦い方が差別化されていましたね。
ゴッドの方は攻撃のいなしや拘束など、防御面の強さが際立っているように見えました。赤いベジータの斬新さも相まって、とてもかっこよかったです。
ついに明らかになったブロリーの強さ。
最初は超サイヤ人状態のベジータにも敵わないほどでしたが、仕舞いには超サイヤ人にならずとも超サイヤ人ゴッドの悟空を圧倒するという、とんでもない戦闘力を持っていました。
どうやら大猿の力を生身の状態でコントロールするという、超サイヤ人とは異なった変身形態へと辿り着いていたようですが、それにしてもすごい。黒髪のサイヤ人相手に超サイヤ人ゴッドの二人が蹂躙されるのは衝撃的でした。
さらにブロリーは父親のパラガスを殺された怒りから、超サイヤ人へと覚醒しました。
目の前で殺されたわけでもなく、そもそも死んだかどうか確認したわけでもないのに、一瞬でぶち切れる辺り父親想いの息子でした。初登場作品で自らパラガスを手にかけていたとは思えないですね。
ドラゴンボールファイターズでも3ゲージを撃つ度に高笑いしていたような奴なのですが、本作のブロリーはとにかく優しく、ほとんど別キャラへとリビルドされていたと感じました。
ゴジータvsブロリー
このままではブロリーには敵わないことを悟った悟空とベジータは、ついにフュージョンを決意しました。
ということで、ゴジータがドラゴンボール超に初登場。上映前予告の時点で明かされて、大きな波紋を呼んでいましたね。
ネタバレとも言われていましたが、宣伝効果としては十分過ぎたのではないでしょうか。「ゴジータが出るなら見に行く」と言っていた人も何人か見かけました。

展開されたゴジータとブロリーの戦闘シーン。間違いなくこの作品の目玉でしょう。
最初の通常ベジータvs通常ブロリーの時点で作画がとんでもないと思っていましたが、ゴジータが出てからはとんでもないなんてもんじゃなかったです。
自分の拙い語彙力で表現しようとも思いません。台詞が一切ないただの戦闘シーンなのに、ここまで面白くなるものなのかと思いました。
多くのファン達に「もう一度観に行きたい」と言わせる最大の理由がここにありました。
ブルーゴジータの強さは凄まじく、あっという間にブロリーを追い詰めてしまいました。
最終的には神龍の願いによって、勝負はノーコンテストに。
終わり方はドラゴンボール映画の中ではとても特異でしたね。
これまでの劇場版では敵を滅ぼして終わりという話が多かったですが、今回の敵は悟空のライバルとして生き続けることになるのでした。原作のどこかで見た展開のような……?
総評
本作の魅力は、戦闘民族サイヤ人同士のガチンコバトルに尽きるでしょう。
これまでのドラゴンボールにおける戦いは、原作においてオーソドックスであった正義vs悪の戦いか、超の宇宙サバイバル編のような正義vs正義の戦いでした。
しかし、本作に関してはそのどちらにも該当せず、とても異色だったと思います。
敵は正義でも悪でもなく。ブロリーというただ一人のサイヤ人でした。
悟空とベジータは、悪を成敗したわけでも、信念をぶつけ合ったわけでもありません。
しかし、彼らは無自覚でしたが、確かに一人のサイヤ人の心を救ってみせたのだと思いました。
長文となってしまいましたが、ぶっちゃけてしまえば本作に「ゴジータかっこいい!ブロリーかっこいい!」以外の感想は無用かもしれませんね。
言葉を一切交えずにただ拳を交え続けていた、ゴジータとブロリー。展開されたのは自分がドラゴンボールという作品に惹かれた所以とも言うべき、少年心をくすぐってくれる爽快感にあふれたバトルでした。
ただただ三人が強い。すごい。かっこいい。そんな作品だったと思います。
総合的な評価としては、自分が今まで見てきた劇場版ドラゴンボールの中でも、最高傑作と呼んでも差し支えない完成度の映画だったと思います。
ド迫力の戦闘シーンは、劇場で体験してこそのもの。観に行って良かったです。