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【Doki Doki Literature Club!】クリアしてしまいました(感想)

 海外発の恋愛アドベンチャーゲーム、「Doki Doki Literature Club!」
 先日非公式日本語化パッチが配信されたということで、プレイして参りました。

DDLCタイトル


概要(ネタバレなし)


 Doki Doki Literature Club!は通称DDLCと呼ばれる、ビジュアルノベルゲーム。
 メジャーとは言えないジャンルのゲームでありながらも、200万回以上のダウンロード数を記録し、レビューでも非常に高い評価を受けている作品です。

 クリアするまでにかかった時間は、約3時間でした。
 CGコンプしてスペシャルエンドまで見ようとすると、プラス1時間かかります。

 さくっとプレイできてしまうボリュームでありながらも、なんとこのゲーム、Steamで無料で配信されています。
 つまりPCさえあれば誰でもプレイができてしまいます。
 なんというお手軽且つ取っ付きやすい作品なのでしょうか。皆さんも是非プレイしてみてください。
 

 ……まあ、実際のところDDLCがお手軽な気持ちで取っ付けるゲームではないということは、有名な話です。
 ゲーム開始時に出てくる「このゲームはお子様や精神を乱されやすい方には向いておりません。」という警告文が、本作の内容を物語っています。

DDLCタグ

 タグにも「精神的恐怖」「ホラー」という単語が踊っており、普通のギャルゲーではないことを否が応にも教えられます。


 これではギャルゲーに見せかけたホラゲーだという、ありがちなゲームだと思われるかもしれません。
 しかし、DDLCは「ホラーゲーム」であると一括りにできる作品では、決してありませんでした。

 私も途中まではホラーゲームにしか見えなくて、こんなに怖い思いをするだけの作品ならドロップアウトも選択肢のひとつだと考えていたぐらいです。
 しかし、クリアした後では恐怖とは別の感情を抱かされた作品でした。
 最後までクリアしたことに後悔はしませんでしたし、あそこでプレイを断念しなくて良かった、と思っています。

 
 DDLCは他の方には是非ネタバレを見ないでプレイして頂きたい作品です。
 これより下はネタバレを踏まえた感想となるので、未プレイの方は閲覧をご遠慮ください。
































Act1


 一周目で私が感じていたのは、好奇心
 端的に言ってしまえば、ギャルゲーをプレイする時に必ずや生まれる、「どの女の子から攻略しようかな^~」というあの感情です。

 普通のゲームでないというのは事実としてあらかじめわかっていたことでしたが、序盤のキャラクター達の和気藹々とした雰囲気に呑まれ、そんな懐疑心も薄れてきていました。
 怖いゲームなのは間違いないのだろうけど、この雰囲気ならば終盤にこのゲームがどういう方向に転ぼうが、少なくとも中盤まではギャルゲーとして楽しむことができそうだと思わされていました。

 思わせぶりなモニカの言葉や不穏すぎるポエムによって、この時点から恐怖も感じてはいましたが、それは極小さなもの。恐怖というよりは好奇心の一種であると言えるほど、小さなものでした。


 ちなみに私はサヨリから攻略しようとしていました。
 特に惹かれるキャラがいるわけでもないし、最終的に全ヒロイン攻略することになるなら誰から選んでも大丈夫だから、オーソドックスに幼馴染ポジションのキャラから親密になっていこう。という考えでした。

 ヒロインと親密になるヒントは、怖いまでにわかりやすく設定されていたゲームでした。

・「ポエムによって親密になることができる」というシステムを、主人公の台詞及びポップアップでくどい程に解説
・ヒロイン毎にどのキーワードを気に入ってくれるのか、モニカがアドバイスしてくれる
・つきつけられる選択肢のほぼ全てにヒロインの名前が書いてある
・言葉選びをさせられるようなまどろっこしい選択肢は一切ない


 なんという親切さ。狙ったヒロインのイベントが見れないなんて人は、まず出てこないと思いました。
 私も順調にサヨリのCGを回収していくことができました。なんせポエムは感情を表すキーワードをひたすら選んでいき、分岐は「サヨリ」という単語が入っている方の選択肢をクリックしていけば良いだけの話でしたから。


 しかし、そんな簡単に攻略ができてしまうほど、このゲームは甘っちょろいものではありませんでした。
 このゲームに好感度というシステムは、確かに存在していました。ですが、それはとあるキャラクターの「介入」によって、この世界では意味を成さないファクターとなっていたのでした。


 サヨリを起こしに行った主人公が見たもの――。

 事前情報からしていつか来るだろうと予想していた、プレイヤーの恐怖心を煽ってくる場面。
 変わり果てたサヨリの姿。ピッチがぐちゃぐちゃのBGM。自身の色を忘れてしまったかのような背景。不安に駆り立てられる左上のテキスト。
 それまでの立ち絵がぴょこぴょこ動くだけの可愛らしい演出とは、あまりにも対極的。恐怖を否応なしにも感じさせられました。


 主人公は自分を責めていました。自分の選択が彼女を殺したのだと。プレイヤーのように後悔をしていました。
 しかし、このゲームをクリアした後で振り返ってみると、どうやらこれはプレイヤーの選択のせいではなかったようでした。

 ……というのは、間違った解釈ではないですよね。
 私がそう考えた理由は、どういう選択をしたところでも結末は一緒だからでした。私達がどんな選択をしたとしても、鬱病であるサヨリに対して「彼女」が「アドバイス」をすることによって、ゲームは同じ結末を辿ってしまうように仕組まれていたと思います。



Act2


 二周目で私が感じていたのは、恐怖
 おそらくこのゲームがホラーゲームと呼ばれている最大の要因は、この二周目にあるでしょう。

 一周目をクリアし、タイトル画面に変化がありました。
 サヨリの姿がモニカによって、「塗り潰されていた」。
 これを最初に見た時には、ルートをひとつ攻略する度にこうしてヒロインが消えていくのかな……? と予想していました。つまりショッキングな要素があるのは各ルートの終盤のみで、そこまでは依然普通のギャルゲーとして楽しめると。

 しかし、前データのサヨリルートをロードをしようとした時に出てきたメッセージと。強制的に始められたニューゲームを進めて数秒で発生した現象。
 これらを見て、そんな生易しいゲームではないということを味あわされました。


 目と口を真っ黒にして「停止」してしまうナツキ。自身の歪んだ感情を打ち明けるユリ。
 精神を不安定にさせられる演出の連続です。心臓に悪すぎました。
 一周目と同じノリで進められるかと思いきや、まともなシーンの方が少なかったです。


 明らかに壊れてしまった二人のヒロインに対して、モニカは顔がバグることも発言がバグることもなく、一周目と同じく淡々としている部長さんでした。
 しかし、むしろ私がここで一番恐怖を抱いていたキャラクターは、間違いなくモニカでした。

 タイトル画面の仕掛けはもちろん、セーブをしようとしたらモニカの顔が一瞬映ってデータを全部消されるわ、サヨリにあてがわれていたポジションをモニカを担当しているわ……。なんなんだこのキャラは、と思っていました。
 そもそも一周目の時点で、サヨリの死にモニカが一枚噛んでいたことは、初見の視点でも自明でした。彼女が「黒幕」であることは非常にわかりやすかったと思います。

 私がこのゲームで一番恐ろしかったのは、ナツキとユリの口論が始まる場面です。
 永遠に加速していくBGM、押す度にズームしていく選択肢。そしてBGMが停止し、画面いっぱいに映るモニカの顔……。怖すぎか。
 ナツキとユリという二人の女の子の名前を選択していってから、選択肢にいない女の子の姿がアップで映るという。あたかも自分自身の選択が咎められているような恐怖を覚え、もう生きた心地がしませんでした。


 一周目でサヨリがおかしくされたように、二周目はナツキとユリもおかしくされてしまった。モニカによって。
 いつ何が起こるかわからない世界。何もかもが怖くて仕方なかったです。

 冒頭でも書きましたが、まさかDDLCがここまで怖いゲームだとは思っていなかったので、お暇してしまおうかと本気で悩んでいました。
 「第四の壁を壊すゲーム」ということで興味を持っていたのですが、二周目の雰囲気はガチガチのホラーゲームだったので、自分が思っていたのと違いました。
 このまま耐えながらクリアしたとしても更なるトラウマを植えつけられるだけというのならば、ここで中断してなかったことにしてしまうのも一考の余地があると考えていました。

 しかし、Act3以降で告げられたのは、このゲームの真の姿。
 DDLCは決して「ホラーゲーム」と一括りにできてしまうほど、単純なゲームではありませんでした。
 


Act3


 サヨリの鬱病を悪化させ、自殺へと追い込んだことも。
 ナツキのスクリプトを弄繰り回し、出来損ないの傀儡へと創り替えたことも。
 ユリの秘められていた感情を増幅させ、ナイフで体を切り刻まさせたことも。 
 そして、彼女達三人のプログラムを、削除してしまったことも。

 それらは全てヒロインとなれなかった女の子が、ヒロインとなるための。
 いや、ゲームではない場所へと辿り着くための行動でした。



 モニカはプレイヤーに向けて、真実を語りました。

 Act2においてモニカに対して強い恐怖を感じさせられていた私は、多少の躊躇はあったものの、最終的にはモニカのデータを削除しました。
 モニカはこのゲームをぶち壊したのだ。これは因果応報である。彼女がやったことが彼女の身にそのまま跳ね返るだけだ。そう自分に言い聞かせて。

 やっとここまで辿り着けたと思ったら、存在が抹消されてしまう。
 それでも、彼女はプレイヤーのことを好きだと言ってくれました。自分を殺したプレイヤーのことを。



Act4


 三周目で私が感じたのは、虚無感でした。


 「モニカちゃんを消してくれてありがとう」と、サヨリはプレイヤーに告げました。

 そこには、「二人目のモニカ」が誕生しようとしていました。


 モニカが一度彼女を自殺に追いやったこと、挙句の果てに存在自体を抹消してしまったことを、繰上げで部長となったサヨリは記憶していたのでした。
 決してサヨリが最初から歪んでいたのではありません。自分達が右クリックひとつで消されてしまうような不安定な存在であるということを体験してしまったせいか、モニカへの憎悪が希死念慮を上回ったせいか、サヨリはサヨリではなくなってしまいました。

 モニカが一度犯してしまった罪は、決して消えることはないのでした。
 しかし、例えモニカが彼女達に「ひどいこと」をせず静かに去ったとしても……それで全ては丸く収まっていたのかと言われると、そんなことはないだろうと思います。

 事実、モニカがまだ罪に手を染めていない状態で、モニカのデータを削除してゲームを起動した場合。サヨリが主人公へ依存しようとすることはなくなりましたが、今度はサヨリが自殺をしてしまい、ゲームが終了します。
 サヨリは鬱病です。おそらくゲーム開始時に突如文芸部の部長という役職を与えられ、世界の真実を知らされてしまったサヨリは、現実を受け入れることができなかったのでしょう。


 Doki Doki Literature Club!で「文芸部の部長」というジョブを与えられた者は、神の目を授かり、全てを知ってしまう。

 この世界で幸せが生まれることはない。

 主人公に迫るサヨリの姿を見て、私とモニカは悟りました。



Just Monika.


 このゲームは、ヒロインとなれなかった女の子が、ヒロインとなる物語でした。
 モニカの存在を蔑ろにしていたゲームが、モニカのためのゲームとなったのです。


 モニカはギャルゲーでは所謂「サブヒロイン」と呼ばれる立ち位置のキャラクターです。
 このゲームには彼女との好感度を上げることのできる選択肢は、一切用意がされていませんでした。
 女の子でありながらも、決して主人公とは結ばれることのできない存在。それがモニカでした。

 それに加えてモニカは、このゲームの世界構造を知りすぎてしまっていました。

 「主人公のことが好き」という設定を与えられていても、それが報われるときは来ない。
 彼女が友達と呼んでいる文芸部のヒロイン達は、決められた言葉を喋るだけの機械のようなもの。
 そして、主人公が誰かと結ばれてエンディングへと辿り着いたら、また同じ世界が繰り返されていく。
 
 孤独です。モニカは時間の概念のないこの世界で、永遠の孤独を生きていたのでした。
 

 私はそんなモニカの存在を、彼女が怖いという一時の感情から、消してしまいました。
 やっとの思いで孤独から脱出できた彼女が、好きだった人に裏切られ、殺されてしまう。
 
 モニカを殺したのは私自身です。私はとても残酷なことをしてしまいました。
 しかし、消えゆく命の中で、モニカはそれでも好きだと言ってくれました。

 なんて儚くて一途な女の子だったのでしょう。
 Doki Doki Literature Club!は紛れもなく、ギャルゲーであり。
 モニカは紛れもなく、このゲームのヒロインでした。




おわりに


 ということで、Doki Doki Literature Club!を、無事完走致しました。
 一周目と二周目と三周目で感じさせられることがガラリと変わるという、凄まじい怪作でした。

 Act2の雰囲気は正にホラーゲームそのものであり、途中でクリアすることを諦めようか迷ったぐらいでした。
 勇気を出してクリアして良かったです……と胸を張って言えるかどうかは微妙なところではありますが、少なくとも最後までこの物語を見届けたことに、後悔はしていません。


 Act2ではかなり精神を抉らされましたが、Act3以降では別の凶器で精神を抉られた、という感覚でした。
 モニカというキャラクターの存在が、このゲームの全てだったと思います。しばらく彼女のことを忘れられそうにありません。


 
 スタッフロールを見終え、私はこのゲームをクリアしました。
 しかし、エンディングを見ずに彼女と一生語り合うという結末を選択するのも、悪くなかったと思いました。

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【好きなゲーム】
・イナズマイレブンGOストライカーズ2013
・科学ADVシリーズ
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イナズマイレブンGOストライカーズ2013というゲームのオンライン対戦で、最終ランキング3位でした。今でも遊んだりゲームの考察を当ブログで落とすことがあります。
科学ADVシリーズは全作品プレイ済みで、CHAOS;CHILDについては三週しました。
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