
【ファイアーエムブレム無双】評価・レビュー
ヒストリーモードのバトルを全てSランククリアできたので、今更ながら本作のレビューを簡潔に書いていきたいと思います。
プレイ時間は約75時間です。

・「ファイアーエムブレムシリーズ」としての戦略性の高さ
本作ではひとつのバトル中に操作することのできるユニットは、最大で四人となっています。
操作していないユニットには「この敵将を倒しに行かせる」「この人物を護衛させる」「この砦を防衛させる」など、ポーズ画面のマップ上で多彩な指示を出すことができます。
操作キャラはいつでもワンボタンで切り替えることができるので、本作は四人それぞれに指示を出しながら別々の行動をさせて、操作キャラを切り替えながら攻略していくのが基本となります。
しかし、闇雲に指示を出して敵将を攻撃していけば攻略できるというわけではありません。
本作では原作にあった「三すくみ」を初めとしたユニット相性システムが導入されており、味方ユニットを相性が不利な敵ユニットにぶつけてしまうと、苦戦を強いられます。
例えば守備の低い槍ユニットであるヒノカを、敵将の力・守備が高い斧ユニットであるフレデリクを、倒しに向かわせる指示を出したまま放置するとします。そうするとヒノカのHPはあっという間に削れてしまいますし、場合によっては敗走もしてしまいます。
逆に言えば三すくみで有利な相手を攻撃するように指示を出せば、自分が操作する必要もなくAIが勝手に撃破してくれることだってあります。
本作は攻撃ボタンをぽちぽち押しているだけで勝てるゲームではなく、SRPGのように戦況を見ながらよく考えてユニットを動かしていくのが何よりも重要であり、ファイアーエムブレム作品としての要素が良い塩梅に落とし込まれています。
・「無双シリーズ」としての爽快感のあるアクション
ファイアーエムブレム作品として味わい深いゲームに仕上がっていますが、もちろん無双シリーズ作品ならではの面白さもあります。
本作は職種がロードのキャラが多く参戦していますが、だからと言って全員が同じ動きをするというわけではありません。例えばクロムは広範囲を攻撃するような豪快な技が多いのに対し、マルスは突きや瞬間移動を使った素早く軽い剣技が持ち味です。
各キャラクターのモーションは非常に凝っています。力の入った演出のされる無双奥義・覚醒奥義・必殺の一撃はもちろん、各種強攻撃もとてもかっこいいです。
豊富な技の数々で敵を蹴散らして「無双」していくゲーム性は、プレイしていてとても爽快感が感じられるものとなっています。
・完成度の高いキャラゲー要素
前述のように各キャラクターが奥義や必殺の一撃で繰り出す攻撃はとても良く作り込まれており、好きなキャラクターを動かしているだけで楽しいです。
絆会話(原作で言う支援会話)というシステムではマルス&クロムやリズ&エリーゼ等、作品の垣根を越えた掛け合いを見ることもできます。
デュアル奥義や敵将戦でも組み合わせ次第では特殊な会話が発生するので、見ていて飽きません。
キャラクターのボイスも多数収録されております。バトル中に戦況を知らせてくれるナビゲーター役は最初はアンナに設定されていますが、ゲームが進めばこれを様々なキャラに変更することが可能です。
ですから自分の大好きなキャラクターが参戦しているという人にとっては、起動して適当に遊んでいるだけでも楽しめるゲームとなっています。
キャラクターの性能格差もそこまでありません。基本的には剣士キャラが優遇されている所はありますが、しっかり育てて「流星」というスキルを習得させれば、どんなユニットでもそれなりに活躍させることができます。比較的ゴリ押しの効くゲームシステムですから。
・プレイアブルのほとんどが覚醒・ifのキャラ
今作最大の問題点ですね。
プレイアブルキャラの内訳はオリキャラを除けば、覚醒7名、if10名、暗黒竜3名、烈火1名、外伝1名……。完全に「ファイアーエムブレム覚醒&if無双」というタイトルでもおかしくないレベルです。
シナリオも覚醒とifのキャラが活躍するのがメインとなっているので、覚醒とifを未プレイの方はもやもやしてしまう可能性があります。
せっかくのFEのお祭りゲーであり、様々な掛け合いが用意されるぐらい作り込みもされているのですから、他の色々な作品のキャラも使えるようにして欲しかったですね。
エフラムやヘクトル等は武器種が他の主人公キャラと差別化ができていますし、本作にはもってこいのキャラだったと思うのですが。
・参戦キャラの職種のバランスの悪さ
職種の偏りもしばしば指摘されています。
宣伝では「武器を偏らせないために参戦キャラを覚醒とifと暗黒竜に集中させた」と説明されていましたが、蓋を開けてみれば参戦キャラの四割近くが剣ユニットという有様でした。
その剣ユニットに三すくみで有利を取ることができるのは槍ユニットなわけですが、本作で槍を使えるプレイアブルキャラは現在ペガサスナイトしかいません。ペガサスナイトは防御が低いので、剣ユニットには三すくみでは有利とはいえ、殴り合いであまり優位には立てなかったりします。
おそらく剣ユニットの数を増やした代わりに槍ユニットを少なく・弱くしてバランスを取っている、というような調整がされています。このせいでせっかくの三すくみシステムが機能しづらくなっており、本作の大体のバトルにおいて剣士で戦うのが一番手っ取り早いということになってしまいがちです。
尤もFEの主人公格のキャラや人気のあるキャラは大体剣士に集中していますから、仕方ないことだったかもしれませんね。
評価点の項目でも述べましたが、剣キャラが強いとは言ってもそこまで飛び抜けてはいないので、あまり気になりません。
・コンパチキャラの多さ
上記のキャラクターは通常攻撃のモーションが全く一緒です。一応奥義や必殺のモーションは違いますし、パラメータの伸び方も若干異なりますが、結局戦い方は一緒ですからほぼ同じキャラクターと言っても差し支えないでしょう。
コンパチにしてもせめて一部の弱攻撃や強攻撃のモーションが変更されているとかなら良かったのですが、そんなこともありませんでした。ですから別々のキャラクターを動かしているという感覚が得られません。
特に冷遇されているのは、ペガサスナイトのティアモ&ヒノカ&シーダ、弓ユニットのタクミ&サクラ&アンナです。本作で槍と弓のプレイアブルキャラはそれぞれ彼女らしかいないのに関わらず、全員の通常攻撃のモーションが一緒にされているので、差別化がされていません。
キャラゲーですから姿やボイスが違うキャラを動かせるだけでも満足できるというのはありますが、キャラゲーだからこそしっかりして欲しかった部分ではあります。
とにかく最も大きな問題点は、覚醒とifのキャラばかりが参戦しているという点。
正直な所、覚醒とifを未プレイの方、覚醒とifがあまり好きではないという方には、あまりおすすめできないゲームです。絆会話はキャラクターの背景を知っていないと理解できない内容が多いので、原作をプレイしていないとついていけなくなる可能性があります。
ゲームシステムはよく練られているとはいえキャラゲーとしての比重が高いので、やはり好きなキャラクターを動かすことができなければ退屈に感じてしまうゲームだと思います。
逆に言えば、覚醒とifのキャラが好きなら"買い"なゲームです。
なんせ覚醒とifから総勢17名のキャラクターが参戦しています。それぞれが個性豊かなモーション・ボイスでゲームを盛り上げてくれ、原作にはなかった掛け合いも見ることができるのですから、ファンの人にはたまらない作品となっています。
また、自分の大好きな推しキャラが参戦しているという方も買って損はないと思います。とにかくキャラゲーとしての完成度が半端なく高いですから、自分の好きなキャラを動かしているだけで楽しいゲームです。
アクションゲームとSRPGを融合させたゲームシステムは非常に良く作り込まれているので、遊んでいて飽きません。
とにかく「ファイアーエムブレムシリーズ」と「無双シリーズ」のシステムが、上手い具合に噛み合っています。
アクションゲームのようにプレイしていて爽快感を感じることができ、SRPGのようにクリアした時の達成感があり。二つの作品のシステムが最高の形で融合されているゲームとして仕上がっています。
プレイ時間は約75時間です。

評価点
・「ファイアーエムブレムシリーズ」としての戦略性の高さ
本作ではひとつのバトル中に操作することのできるユニットは、最大で四人となっています。
操作していないユニットには「この敵将を倒しに行かせる」「この人物を護衛させる」「この砦を防衛させる」など、ポーズ画面のマップ上で多彩な指示を出すことができます。
操作キャラはいつでもワンボタンで切り替えることができるので、本作は四人それぞれに指示を出しながら別々の行動をさせて、操作キャラを切り替えながら攻略していくのが基本となります。
しかし、闇雲に指示を出して敵将を攻撃していけば攻略できるというわけではありません。
本作では原作にあった「三すくみ」を初めとしたユニット相性システムが導入されており、味方ユニットを相性が不利な敵ユニットにぶつけてしまうと、苦戦を強いられます。
例えば守備の低い槍ユニットであるヒノカを、敵将の力・守備が高い斧ユニットであるフレデリクを、倒しに向かわせる指示を出したまま放置するとします。そうするとヒノカのHPはあっという間に削れてしまいますし、場合によっては敗走もしてしまいます。
逆に言えば三すくみで有利な相手を攻撃するように指示を出せば、自分が操作する必要もなくAIが勝手に撃破してくれることだってあります。
本作は攻撃ボタンをぽちぽち押しているだけで勝てるゲームではなく、SRPGのように戦況を見ながらよく考えてユニットを動かしていくのが何よりも重要であり、ファイアーエムブレム作品としての要素が良い塩梅に落とし込まれています。
・「無双シリーズ」としての爽快感のあるアクション
ファイアーエムブレム作品として味わい深いゲームに仕上がっていますが、もちろん無双シリーズ作品ならではの面白さもあります。
本作は職種がロードのキャラが多く参戦していますが、だからと言って全員が同じ動きをするというわけではありません。例えばクロムは広範囲を攻撃するような豪快な技が多いのに対し、マルスは突きや瞬間移動を使った素早く軽い剣技が持ち味です。
各キャラクターのモーションは非常に凝っています。力の入った演出のされる無双奥義・覚醒奥義・必殺の一撃はもちろん、各種強攻撃もとてもかっこいいです。
豊富な技の数々で敵を蹴散らして「無双」していくゲーム性は、プレイしていてとても爽快感が感じられるものとなっています。
・完成度の高いキャラゲー要素
前述のように各キャラクターが奥義や必殺の一撃で繰り出す攻撃はとても良く作り込まれており、好きなキャラクターを動かしているだけで楽しいです。
絆会話(原作で言う支援会話)というシステムではマルス&クロムやリズ&エリーゼ等、作品の垣根を越えた掛け合いを見ることもできます。
デュアル奥義や敵将戦でも組み合わせ次第では特殊な会話が発生するので、見ていて飽きません。
キャラクターのボイスも多数収録されております。バトル中に戦況を知らせてくれるナビゲーター役は最初はアンナに設定されていますが、ゲームが進めばこれを様々なキャラに変更することが可能です。
ですから自分の大好きなキャラクターが参戦しているという人にとっては、起動して適当に遊んでいるだけでも楽しめるゲームとなっています。
キャラクターの性能格差もそこまでありません。基本的には剣士キャラが優遇されている所はありますが、しっかり育てて「流星」というスキルを習得させれば、どんなユニットでもそれなりに活躍させることができます。比較的ゴリ押しの効くゲームシステムですから。
問題点
・プレイアブルのほとんどが覚醒・ifのキャラ
今作最大の問題点ですね。
プレイアブルキャラの内訳はオリキャラを除けば、覚醒7名、if10名、暗黒竜3名、烈火1名、外伝1名……。完全に「ファイアーエムブレム覚醒&if無双」というタイトルでもおかしくないレベルです。
シナリオも覚醒とifのキャラが活躍するのがメインとなっているので、覚醒とifを未プレイの方はもやもやしてしまう可能性があります。
せっかくのFEのお祭りゲーであり、様々な掛け合いが用意されるぐらい作り込みもされているのですから、他の色々な作品のキャラも使えるようにして欲しかったですね。
エフラムやヘクトル等は武器種が他の主人公キャラと差別化ができていますし、本作にはもってこいのキャラだったと思うのですが。
・参戦キャラの職種のバランスの悪さ
職種の偏りもしばしば指摘されています。
宣伝では「武器を偏らせないために参戦キャラを覚醒とifと暗黒竜に集中させた」と説明されていましたが、蓋を開けてみれば参戦キャラの四割近くが剣ユニットという有様でした。
その剣ユニットに三すくみで有利を取ることができるのは槍ユニットなわけですが、本作で槍を使えるプレイアブルキャラは現在ペガサスナイトしかいません。ペガサスナイトは防御が低いので、剣ユニットには三すくみでは有利とはいえ、殴り合いであまり優位には立てなかったりします。
おそらく剣ユニットの数を増やした代わりに槍ユニットを少なく・弱くしてバランスを取っている、というような調整がされています。このせいでせっかくの三すくみシステムが機能しづらくなっており、本作の大体のバトルにおいて剣士で戦うのが一番手っ取り早いということになってしまいがちです。
尤もFEの主人公格のキャラや人気のあるキャラは大体剣士に集中していますから、仕方ないことだったかもしれませんね。
評価点の項目でも述べましたが、剣キャラが強いとは言ってもそこまで飛び抜けてはいないので、あまり気になりません。
・コンパチキャラの多さ
・男カムイ&女カムイ
・男ルフレ&女ルフレ
・ティアモ&ヒノカ&シーダ
・タクミ&サクラ&アンナ
・クロム&ルキナ
・レオン&エリーゼ
・マルス&セリカ
・シオン&リアン
上記のキャラクターは通常攻撃のモーションが全く一緒です。一応奥義や必殺のモーションは違いますし、パラメータの伸び方も若干異なりますが、結局戦い方は一緒ですからほぼ同じキャラクターと言っても差し支えないでしょう。
コンパチにしてもせめて一部の弱攻撃や強攻撃のモーションが変更されているとかなら良かったのですが、そんなこともありませんでした。ですから別々のキャラクターを動かしているという感覚が得られません。
特に冷遇されているのは、ペガサスナイトのティアモ&ヒノカ&シーダ、弓ユニットのタクミ&サクラ&アンナです。本作で槍と弓のプレイアブルキャラはそれぞれ彼女らしかいないのに関わらず、全員の通常攻撃のモーションが一緒にされているので、差別化がされていません。
キャラゲーですから姿やボイスが違うキャラを動かせるだけでも満足できるというのはありますが、キャラゲーだからこそしっかりして欲しかった部分ではあります。
総評
とにかく最も大きな問題点は、覚醒とifのキャラばかりが参戦しているという点。
正直な所、覚醒とifを未プレイの方、覚醒とifがあまり好きではないという方には、あまりおすすめできないゲームです。絆会話はキャラクターの背景を知っていないと理解できない内容が多いので、原作をプレイしていないとついていけなくなる可能性があります。
ゲームシステムはよく練られているとはいえキャラゲーとしての比重が高いので、やはり好きなキャラクターを動かすことができなければ退屈に感じてしまうゲームだと思います。
逆に言えば、覚醒とifのキャラが好きなら"買い"なゲームです。
なんせ覚醒とifから総勢17名のキャラクターが参戦しています。それぞれが個性豊かなモーション・ボイスでゲームを盛り上げてくれ、原作にはなかった掛け合いも見ることができるのですから、ファンの人にはたまらない作品となっています。
また、自分の大好きな推しキャラが参戦しているという方も買って損はないと思います。とにかくキャラゲーとしての完成度が半端なく高いですから、自分の好きなキャラを動かしているだけで楽しいゲームです。
アクションゲームとSRPGを融合させたゲームシステムは非常に良く作り込まれているので、遊んでいて飽きません。
とにかく「ファイアーエムブレムシリーズ」と「無双シリーズ」のシステムが、上手い具合に噛み合っています。
アクションゲームのようにプレイしていて爽快感を感じることができ、SRPGのようにクリアした時の達成感があり。二つの作品のシステムが最高の形で融合されているゲームとして仕上がっています。