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【アレスの天秤】26話(感想)

・人間の持つ未知なる力の答え「ファイアレモネード」


「キャスティングアーム」

 西蔭の新キャッチ技。腕が伸びました。
 その後の場面では一度も使用せず、全て「王家の盾」で済ませていたので、単純に強い必殺技ではないようですね。さながら「バックドラフト」や「メテオドロップ」のような、意表を突くタイプのシュート技に対応するためのキャッチ技でしょうか。
 尤も、「火だるまバクネツ弾」がそのようなシュート技には見えませんが……。あれを止める時点で相当威力の高い必殺技だと思うのですが、一度しか見ることはありませんでした。


「スカイウォーク」

 野坂がいきなり繰り出したドリブル技。空を歩きました。
 「スカイウォーク」はGOで信助が使っていた必殺技です。ということで、GOの必殺技がアレスの天秤で初登場しました。
 これでGOにあった必殺技はアレスの天秤でも出すつもりがあるという意志を見せてくれたので、ゲームでは他にも実装されるかもしれませんね。「トリックボール」や「エレファントプレス」辺りのメインキャラと関わりのない必殺技は出しやすそうです。
 「グレートマックスなオレ」なんかはかなり人気も高かったですが、流石に出すのは厳しいでしょうか。あれは210年後の必殺技ですし。


「氷の槍」

 氷裏の新しい必殺技です。
 「氷の矢」はパスの必殺技だったわけですが、これはそのままゴールへ向かって行ったのを見る限りシュート技のようですね。
 一応新必殺技なのですが、残念ながら西蔭には普通にキャッチされてしまいました。
 

「ファイアレモネード」

 剛陣先輩の新必殺技です。
 一話から名前だけ登場していた幻の必殺技を現実にしてしまうという、究極の伏線回収です。ここまで長いスパンで完成させた必殺技は、イナズマイレブンでは初めてだったと思います。

 隣で小僧丸がオリジナル技を繰り出している中でなおレモネードレモネード言っていたのは、お父さんの影響もあったのですね。
 「ファイア弾道補正」や「バックドラフト」などによる搦め手は得意としていたものの、明日人や小僧丸と比べると単騎での決め手に欠ける剛陣先輩でしたが、ついに「ここぞって時に」嘘を本当にしてしまいました。スプラッシュ!



・ただひとり、自分だけのてっぺんを目指した者

 決勝戦のスコアは3-2となりました。
 決勝点を決めた人物が明日人でも灰崎でもなく、まさかの剛陣先輩です。剛陣先輩が物語に終止符を打つことになるとは、こんなの誰が予想したでしょうか。
 無印であれば染岡さんが、GOであれば倉間が決勝点を決めて勝つようなものです。
 準決勝で円堂を突破するという快挙も成し遂げていましたから、もはや彼は伊那国雷門最強のストライカーと呼べるほどに活躍はしていると思います。明日人の「シャイニングバード」とか白恋戦以前の相手にしか通用しなかったわけですから。

 剛陣先輩が活躍しすぎたせいで、灰崎が正直なんの為に来たんだよ感がすごいのですが大丈夫なのでしょうか。
 まあ、今回灰崎が無双して勝つようであれば雷門らしい試合ではなくなってしまうので、これはこれで良かったのかもしれません。一応「グリッドオメガ」を攻略するという活躍は見せましたしね。


 最後は主人公達が決めて欲しかったという気持ちは確かにありましたが、アレスの天秤を否定するという意味では剛陣先輩によるトドメは適任だったと思っています。
 ピッチの22人の選手のデータを算出し、最も勝率の高い戦法を取るのが王帝月ノ宮のサッカーです。
 対して伊那国雷門が取った最後の攻めの一手とは、最もシュート得点回数が少ないストライカーである、剛陣先輩にボールを回し続けるというものでした。

 これが王帝月ノ宮ならば、相手の意表を突くシュート以外ではほぼ得点が成功していない選手にボールを集めようとするでしょうか? 試合途中で成長することを願って、ノーマルシュートしかしない選手の背中を押そうとするでしょうか?
 しかし、明日人と小僧丸は剛陣先輩のことを信じ、少ない残り時間の中、彼にパスを出し続けました。
 剛陣先輩はチームメイトの期待に答える形で、自分が雷門へ行く前からずっと思い描いていたシュートを、ついに実現させたのでした。

 これがアレスの天秤のサッカーには存在しない、人間の未知なる力による勝利だったと思います。
 人間らしさとは無縁なプログラムサッカーではなく、泥臭い努力をした者に対して勝利の女神は微笑む。実にイナズマイレブンらしい結末だったと思います。



・野坂悠馬、命を賭けた策略

 野坂の言動はこれまで多くが謎に包まれていましたが、今回ついに全てが明らかになりました。

 結局、野坂がどういう想いで決勝戦に臨んでいたか、前回の時点ではわかっていなかったんですよね。
 決勝戦の結果によってアレスの天秤の存在意義が決まるというのはわかりますが、彼自身はどうなって欲しいのかという感情が不明でした。
 勝利することでアレスの天秤によるサッカーを肯定したいのか、はたまた敗北することで否定したいのか。

 これまでの言動及び自身が携わっている以上は前者なのかなと思っていましたが、今回の話を見る限りでは後者だったのでしょうか。
 自分がアレスの天秤の最大の被害者であり、情報操作によってもみ消された闇の部分を全て把握し、あれだけ寝首を掻く下準備をしておきながら、プログラムを肯定したいという気持ちは流石になかったでしょう。
 野坂は決勝戦が始まる前から既に、御堂院をギロチン台にかけていたも同然だったというわけですね。
 

 代償はあるものの、人智を超える力を手に入れることができるのがアレスの天秤というプログラムです。その力すらも人の力に負けてしまうということがわかれば、いよいよアレスの天秤は存在意義がなくなってしまいます。
 ですから野坂はこの決勝戦で、自身が敗北することによって、明日人と灰崎が勝利することによってそれを証明したかったのだと思います。
 「何かを成し遂げたい」と言っている以上、野坂自身は結果がどう転んでもいいと考えていたのかと思われていましたが、彼の本当の気持ちはアレスの天秤を潰したい、というものだったと思います。

 わざわざ手術を遅らせて試合に出るような危険を冒さずとも、自分を証拠品として提出すればGGやんけと言われるかもしれませんが、前述のように彼としてもアレスの天秤を真の意味で否定したかったのでしょう。
 それに、王帝月ノ宮が敗北してアレスの天秤の信用が下がった今動くことにこそ意味があると言えます。

 最終的には試合終盤で王帝月ノ宮が「アレスの天秤なんて関係ない!卍俺達のサッカー卍をやろう!」と言う展開になるのかと思っていたのですが、この敗北によってアレスの天秤が意味を失ったと野坂が認めている以上、彼らは試合が終わるそのときまでアレスの天秤の呪縛からは逃れられなかったのですね。
 今までずっとアレスの天秤の下で練習を積んできた以上、いきなり逃れる術なんて存在しないのですが。そう思うと悲しい決勝戦だったと思います。


 野坂の命を賭けた策略によって、アレスの天秤は完膚なきまでに叩きのめされることになりました。
 サブタイトルにもなっていたアレスの天秤による暗躍は、これにて幕を閉じたのでした。



アレス26話

 これにてアレスの天秤の半年間に渡る放送が終了しました。終わってみるととてもあっという間でしたね。
 スタッフの方々、製作お疲れ様でした。半年間毎週を楽しみにしながら生きていました。

 大体は今までの感想のまとめのようになると思いますが、後々アレスの天秤の総括・総評のような記事を投稿したいと考えています。
 これまで記事において否定的なことを書くのはなるべく自重していたのですが、そういう部分も含めて書けたらいいなぁと。総括といっても簡潔なものになると思うので、来週中には上げられると思います。

【アレスの天秤】25話(感想)

・戦術の皇帝の本領「キングス・ランス」


「ローグプレス」

 王帝月ノ宮の必殺タクティクス。「無敵の槍」でした。
 王帝のとっておきなのだと思われますが、初見であっさりと破られてしまいました。
 このタクティクスの情報は野坂が渡したデータの中に入っていたのでしょうかね。入っていたなら通用しなかったのも仕方ないわけですが、描写を見る限りではガチの初見だったようです。

 伊那国雷門がそれだけレベルアップしたという話なのかもしれませんが、そもそも初見で難なく攻略されるってタクティクスとして機能してないのでは……と思ってしまいます。
 まあ、王帝は他のタクティクスなどに頼らなくとも「グリッドオメガ」だけで全ての試合を破壊できていたので、ある程度浅いのは仕方ないのかもしれません。 


「ザ・ラビリンス」

 奥入のドリブル技。
 迷路である必要性あるんですかね。無駄に凝っていました。

 これでようやく伊那国雷門の全ての選手の個人技が、公式戦での発動に成功したことになります。
 無印一期では必殺技を出したものの活躍とは言えないような噛ませとして扱われたり、そもそも必殺技を貰えなかった選手もいたので、彼らと比べれば伊那国雷門のキャラはまだ優遇されていると言えるかもしれません。
 

「火だるまバクネツ弾」

 小僧丸の新シュート技。語感がいいですね。
 反時計回りに回転しながら浮上し、最後は「ファイアトルネード」と同じく時計回りの回転を使ってシュートするのがポイントです。
 炎にだるまの模様が浮かび上がる必殺技ですが、体型も相まって小僧丸自身が火のダルマになっているようでした。

 小僧丸曰く「俺だけの技」。今までの小僧丸の必殺技は、合体技を除けば「ファイアトルネード」と「爆熱ストーム」だけでした。
 彼は星章vs木戸川を観戦してた時の様子からして豪炎寺ガチ恋勢だったわけですが、ついに豪炎寺のマネではない自分だけの必殺技を手に入れたということでしょうか。どこかで見たような展開ですね。
 モーションはかなり「ファイアトルネード」を大本にしていましたが、オリジナル技だからと言ってイメージと全くそぐわない技を出されても困りますから、これで良かったと思います。
 

「キングス・ランス」

アレス25話

 ついに登場した野坂の必殺技。
 二回鳴る「ほわ~んほわ~ん」という気の抜けたSEが気になってしまいます。これ「プリマドンナ」とかでも使われてましたね。

 満を持して登場したラスボスの必殺技なだけあって非常に派手です。あたかも化身技のようなシュート技でした。
 というかほぼほぼ「ロストエンジェル」でしたね。もしかしたらこの世界線では後々「剣聖ランスロット」のルーツになったりして。

 威力も凄まじく、「ザ・ウォール」でパワーダウンされてもなお「マーメイドヴェール」を打ち破ってしまいました。
 「マーメイドヴェール」を突破した必殺技というだけでも二つ目にカウントされるレベルですから、これまでに登場した敵チームのシュート技の中でも明らかに頭ひとつ抜けた強さを持っています。
 果たして伊那国雷門はこのシュート技を攻略することができるのでしょうか。また、野坂がこの「キングス・ランス」よりも更に強力な必殺技を隠しているという可能性もあります。



・野坂悠馬、サッカーへの想い

 王帝は野坂以外のフィールドプレイヤー全員が不本意な中、開幕「グリッドオメガ」を発動。
 不本意なのになんでわざわざ「グリッドオメガ」なんてやったんだよという話ですが、御堂院と取引した手前、使わざるを得なかったのだと思われます。それにやり口はどうあれ、王帝の全力のサッカーはこのタクティクスなしには語れないはずです。
 
 野坂もこのタクティクスで試合を決めてしまうことは好ましくないと思い、伊那国雷門には回りくどいやり方で攻略法を教えていたのでした。あれを教えたと言っていいのかわかりませんが。
 特訓の成果と灰崎の真空波(?)の力によって、「グリッドオメガ」は無事不発となりました。
 
 野坂と西蔭以外の選手は普通のサッカーがやりたいという気持ちを試合前から露にしていましたが、伊那国雷門との激戦が続いていく中、西蔭にもまた変化が訪れていました。
 西蔭はずっと野坂についてきた結果サッカーをやることになったというだけでしたから、サッカーを楽しむということは考えたこともなかったのでしょう。

 そんな西蔭の様子を見て野坂は、驚くことも蔑むこともなく、ただ微笑みを見せました。
 果たして野坂にとってのサッカーは、本当に何かを成し遂げるための手段でしかなかったのでしょうか。
 執念によって周りが見えなくなっているところを明日人に諭され、野坂は御堂院に対して宣戦布告をするような形で、自身の胸の内を明かしました。

 

・灰崎凌兵、サッカーへの想い

 ついに茜と灰崎がご対面しました。
 てっきり「灰崎君~」みたいに呼ぶかと思っていたら、下の名前で呼ぶんですね。しかも呼び捨て。

 試合が終われば全てわかる、と言っている辺り、やはり茜は野坂の協力者か何かだったのでしょうか。
 野坂はアレスの天秤が意味のあるものかどうかを確かめたいと言っていますから、御堂院の度肝を抜くような何かを裏で仕掛けてそうではあります。
 野坂がこの試合で勝ったら意味があり、負けたら意味がない。なんて単純な話で終わるとは思えません。

 茜は灰崎に、復讐のためではない真っ直ぐなサッカーをして欲しいと願います。
 しかし、フィールドの悪魔と呼ばれ試合を荒らしてきた灰崎にとって、真っ直ぐなサッカーなど備わっていないのでした。



・稲森明日人、サッカーへの想い

 明日人はやっぱりこういうポジションですよね。
 自身の存在を証明するためにサッカーをする野坂、復讐のためにサッカーをする灰崎。
 対してアレスの天秤に対して何の因縁もない明日人は、母親の言葉を胸に留め、ひたむきにサッカーへと向き合い続けていたのでした。

 勝利のためにラフプレーを連発し合う野坂と灰崎を諭し、サッカーとはなんたるかを言葉で教えようとする明日人。
 それにしても彼が二人の胸倉を掴み上げるほど激昂することになるとは思いませんでした。こんなに熱い一面を持っていたのですね。
 彼もまた歴代主人公と同じく、サッカーの伝道師とも言うべき強さを持っていたのでした。



 アレスの天秤を取り巻く大きな因縁のせいで、試合はどこへ向かっているかわからないようになっていましたが、主人公の一喝によって流れは変わったかもしれません。
 次回はいよいよ最終話です。剛陣先輩がゴールに向かっている姿がクローズアップされていましたが、この男はまた何かをしでかしてくれるのでしょうか。

【アレスの天秤】24話(感想)

・道成負傷;;

 伊那国雷門が「伝説のキャプテン」相手に勝利した代償は大きかったです。
 道成キャプテン、頼れる先輩となったかと思いきや退場だなんて……。
 ようやくキャプテンとして一皮剥けたところで即キャプテン交代になるとは、とても残念でしたね。「ビクトリーライン」は本当に幻の技となってしまいました。

 決勝戦直前にキャプテンが負傷し、主人公が代理としてキャプテンを務める展開は、やはりGO一期を思い出します。
 道成は神童のように緊急搬送されたわけではなかったので、ああまで深刻な雰囲気にはなりませんでしたが。今回は逆にみなさん案外軽いのね、と思ってしまいました。

 決勝戦直前というタイミングこそGO一期と一緒でしたが、意味合いは全く異なりますよね。
 今までチームの中心となっていた選手の負傷か、ようやくチームの中心として覚醒した選手の負傷か。絶望感のあったGO一期とは違い、今回は道成が可哀想という気持ちが大きかったです。
 世界編では復帰してくれると良いですね。

 明日人がキャプテンとして選ばれたのは、これまでの活躍からしてごく自然だったでしょうか。
 星章学園戦では試合のキーマンとして暴れ、白恋戦や利根川東泉戦ではチームメイトに対する気配りを見せるなど、選手としても人間としても完璧でした。周囲からは太陽と比喩されるように、キャプテンに相応しい器を持っていたと思います。
 のりかを初めとしたチームメイトは新キャプテンに対して新鮮さを感じつつも、納得していたようです。なんだかんだで彼らをここまで引っ張ってきたのは、明日人だったはずですから。



・灰崎参戦!

 今回のタイトルは「野坂の宣戦布告」でしたが、やはり目玉となったイベントはこれでしょう。
 前々から転校フラグを立てていた灰崎凌兵が、ついに雷門へやってきました。

アレス24話

 いつ転校するのかわからなすぎて公式の情報操作説も出ていたぐらいだったのですが、そんなことはありませんでした。
 決勝戦直前というまさかのタイミングでしたね。加入時期的にはザナークと同じでした。
 敵校のライバルがいきなり味方チームへと転入してくる展開は、相も変わらず物凄い唐突さですね。
 思えば鬼道の転校の方が余程いきなりだったはずですが、見ていた当時はまだ子供だった故に違和感を覚えなかったんだなぁと思いました。

 背番号は14番。無印で同じく雷門に転校していた鬼道さんを踏襲していて良いですね。
 鬼道はチームに馴染むまでに時間がかかっていましたが、灰崎は割かしあっさり受け入れられているようでした。一応「フィールドの悪魔」なんて二つ名こそ付いていますが、実際に雷門の選手をボコボコに痛み付けたことはなく、鉄骨を落とすような男を総帥として慕っていたわけではないですから、鬼道と比べると別に悪いことはしていないですよね。
 ところで今回の決勝戦前に雷門は伊那国島に帰って特訓をしたようですが、そこに灰崎もついて行ったのでしょうか。そうだったらあまりにも振り回されすぎていて、想像するとかなり笑えてきますが。

 道成の負傷は雷門にとっては痛手でしたが、こうして心強いストライカーが手札に加わることとなりました。
 灰崎が加入することによって伊那国雷門とどのような化学反応を起こすのかが見所ですね。次回予告の時点では穏やかじゃない表情を見せていましたが、新キャプテンがなんとかまとめてくれることでしょう。
 最終的には「シャイニングバード」と「パーフェクトペンギン」のオーバーライド技的なのも見れると思います。きっと。



・野坂を取り巻く人間関係

 何かを成し遂げることを人生と定義し、自身の命の危険も省みず目的の達成に臨む野坂。
 彼と特に関係が深い人物は、チームメイトの西蔭と、伊那国雷門のマネージャーの杏奈でした。

 杏奈は出会った頃から変わらず、彼のことを心配しているようでした。
 野坂と杏奈のいつの間にか相思相愛になっているような関係には驚きました。
 杏奈は本当はもっといいところがあるヒロインだと思うのですが、描写不足が要因して完全に野坂と雷門の橋渡しになるためだけに作られたキャラのように感じられてしまいます。もう少し雷門のためにマネージャーっぽいことをして欲しかった……。歴代のマネージャーも置物と化していることが多かったとはいえ、敵チームの選手に入れ込んでいる面ばかりが描かれるというのは少々不憫です。
 しかし、野坂が何かを成し遂げようとしていることは、同時に何かを失うことであると。彼にそれを気づかせることができる可能性を一番持っているのは、杏奈なのかもしれません。

 西蔭は、やはりと言うべきか病気のことを知らされていなかったようです。ここまで慕ってきた相手に隠し事をされていたというのは、西蔭にとっては当たり前のようにショックですよね。
 しかし、そもそも西蔭が野坂を慕っていたのは、そのような信念を持っていたところなのでした。
 西蔭が野坂のことを信じて、最期までついていくと決めたのはかっこよかったですね。西蔭は野坂のことをブレないと言っていましたが、彼もまた全くブレていないのでした。



 アレスの天秤の放送は、残すところあと二回のようです。
 残り二話でここまで広げてきた風呂敷を畳み終えられるのか……というかそもそも決勝戦を二話で終わらせるというのも中々型破りですよね。尤も無印一期の世宇子戦も二話で完結していましたから、GOのせいで感覚が麻痺しているのかもしれません。

 明日人、灰崎、野坂、ついに三大主人公が同じピッチに出揃いました。
 彼らのてっぺんを目指す戦いが、いよいよ始まります。

【アレスの天秤】23話(感想)

・進化した伝説「風神雷神」


「バックドラフト」

 誰もが待ち望んだ剛陣先輩の必殺技。
 このまま二期まで必殺技を出さないんじゃないかと言われるぐらい出し渋っていましたが、今回ついにお披露目となりました。

 小僧丸の「ファイアトルネード」、明日人の「イナビカリ・ダッシュ」からの連携によって繰り出されたということもあって、どこからどこまでが「バックドラフト」なのかがわかりにくいです。あの炎が逆流するエフェクトは、果たして「ファイアトルネード」から繋いだからこそ発生したのでしょうか。
 オーバーライド説もあったりとよくわからない技ですが、おそらくは普通に剛陣先輩の個人技でしょう。シュートチェイン技だと思われます。

 ここまで溜めた甲斐もあって扱いは伊達ではなく、円堂から初めてゴールを奪ったという伝説的な必殺技となりました。
 どんなシュートにでも反応できるという野生の勘を持っている、剛陣先輩だからこそ使えたシュート技だったというのがいいですね。これまでの試合での本人の軌跡が、ついに実を結んだのだと思いました。
 剛陣先輩はああ見えて意外とテクニカルなストライカーなので、ゲームだとチェインシューターとかついてるかもしれません。


「風神雷神」

 円堂の新たなる必殺技。
 無印の円堂の必殺技のほとんどは大介の秘伝書・助言を元にして習得したものでしたが、これは何気に自力で編み出した必殺技ですよね。
 利根川東泉の下で鍛錬を積み、明日人達とぶつかることができたこの世界線だからこそ、新しく顕現した力なのだと思いました。

アレス23話

 モーション・扱い的には進化した「マジン・ザ・ハンド」でしょうか。
 「マジン・ザ・ハンド」はサイドからのシュートに弱いという弱点があった(らしい)ので、今回はそこを突かれて失点してしまいましたが、「風神雷神」はそんなウィークポイントもしっかりカバーしていました。

 マジンの数が増えるという、わかりやすくど派手な演出がかっこいいですね。
 GOで言うところの「化身」を二体同時に召喚してしまうという、とても型破りな必殺技でした。GOでもそんなことができた選手は一人もいなかったのに……やはり円堂は生きる伝説です。
 これまでの円堂のキャッチ技といえば、ゴッドハンドの使い方を変えるかマジンさんがイメチェンするかのどちらかだったので、「風神雷神」はそういう意味でも新鮮な必殺技でした。
 発動時の力強い叫びも印象的です。とにかく完成度が高すぎて、個人的に今作で出てきた必殺技の中で一番好きです。


「ビクトリーライン」

 明日人、小僧丸、道成の合体シュート技。初見ではまさか「ジェットストリーム」か!?と勘違いしました。
 伊那国雷門は「ザ・ウォール」と「ファイアトルネード」以降はめっきり旧作技を習得しなくなってきていますが、これは彼らが地力をつけているという象徴なのでしょうか。
 無印の曲が流れつつ無印最強の技が登場したならば、それはそれで懐古厨歓喜の演出ではありましたが、あくまでこの物語はアレスの天秤である、ということで。どう見ても「ジェットストリーム」を意識した合体技だとは感じましたが。

 三方向から攻めることで相手GKのキャッチ技の威力を分散させる、というからくりなのでしょうか。これシュートが三つとも入っちゃったら何点としてカウントするんでしょう。
 なんにせよ円堂の「マジン・ザ・ハンド」を超える「風神雷神」を真正面から破ってしまった技であり、これまでに登場したシュート技の中でも最強格の強さを誇ります。
 今後も無印三期の「グランドファイア」や「皇帝ペンギン3号」のように主砲とも言える必殺技として活躍していく……と思いたいですが、幻の技となってしまいそうな……。



・2-1で勝利!

 やはり相手GKが円堂であり、重要ポジションのストライカーが相手チームにいないとなれば、スコアが落ち着くことは自明でした。
 サッカーらしい点差になっただけでここまで面白くなるものなのかと思いました。DFとGKが活躍している試合ってすごい。
 ちなみに2-1は歴代でもあまりなかったスコアだったと思います。

 個人的には神回だったと思います。
 何よりも円堂がかっこよすぎました。旧作キャラクターであるという思い入れを抜きにしても、敵校のライバルとして非常に魅力的だと思えました。
 試合の途中で成長する強さ、シュートを前にした際の気迫。要所要所で見せる表情や発言も光っており、全てが敵GKとして完璧すぎました。
 自身だけでなく対戦相手とも高めあうことで、まさしく強化委員として理想的とも言える仕事ぶりをしていました。


 強いて言うなら、二話分あったとはいえ試合パートがあまり長くなかったことは残念でした。
 円堂が新必殺技を習得し、ぽん子が参戦し、さあこれからだというところで終わってしまいました。ミラクルリベロの坂野上君も必殺技を出すかと思いきや、ノーマルシュートを撃っただけで見せ場が終了してしまうとは。

 まあ、これが利根川東泉というチームだった、ということなのかもしれません。なにしろ坂野上もぽん子も初心者なので、必殺技を使えなくても仕方ありません。
 円堂のワンマンチームという声もあるかもしれませんが、サッカーはGK一人が最強なら勝てるというわけではないですから、彼らは初心者ながらも坂野上を中心としたチームワークで地道に勝利を重ねてきました。
 フィールドプレイヤーが唯一繰り出した必殺技は合体技の「天竜」であり、利根川東泉は正に連携の力で勝ち上がってきたチームなのだと印象付けられました。



・よみがえれ、イナズマ伝説!

 今回特筆すべきは、挿入歌として「立ち上がリーヨ(リローデッドVer.)」が流れたことです。
 正直泣きそうになりました。別バージョンとはいえ10年前に誕生した曲をここで使うのは反則すぎて。
 「風神雷神」発動時の円堂の叫びから、この曲が流れる演出が素晴らしすぎました。必殺技のかっこよさも相まって最高です。

 対する伊那国雷門の必殺技は、一縷の望みに賭けた合体技「ビクトリーライン」。
 道成キャプテンはすっかり一皮剥けましたね。今の俺達なら必ずできると後輩を鼓舞し、ぶれは俺が補正すると言って体を張り。
 キャプテンというか先輩というか人間として最強すぎました。撃つときの「いくぞ!」「はい!」という三人の掛け合いもかっこよかったです。

 円堂がチームの期待を背負った決意を抱き、一瞬だけ特訓時の回想が流れる演出も良かったですね。シュートを止める時の作画枚数も多く、円堂の気迫が伝わってきました。
 円堂対道成、お互いに一人の選手としてだけではなく、キャプテンとしてチームの想いを必殺技に込めた上での勝負でした。
 この「風神雷神」と「ビクトリーライン」のぶつかり合いは、アレスの天秤史上最高に熱かったと思いました。



 個人的には今までで一番面白い回だったので良かったです。
 次回はいよいよ決勝戦となりますが、野坂に這い寄る病魔の手、ボロボロになった道成の右足など、とても穏便な試合とはなりそうにないほどに不穏な空気を漂わせています。
 野坂、道成、そして灰崎。一体彼らはこれからどうなってしまうのでしょうか。

【アレスの天秤】22話(感想)

・元祖最強の必殺技「マジン・ザ・ハンド」


「氷の矢(シュートバージョン)」

 氷浦が繰り出した付け焼き刃のシュート技。
 「氷の矢」は元々シュート技でもおかしくないような必殺技だったので、違和感は全くなかったです。
 ゲームでは「スーパースキャン」のように同名だけどタイプの違う必殺技として実装……されるかもしれません。


「マジン・ザ・ハンド」

 みんな大好き「マジン・ザ・ハンド」。アニメの設定上では、無印一期最強の必殺技と言ってもいいでしょう。
 少なくとも初登場した時点ではこの世で一番強い必殺技だったと思います。正史ではその後宇宙人がやってきてあっさり破られてしまうんですけどね。

アレス22話

 アウターコードではノーマルシュートにあっさり破られていたので、この青いマジンさんにはあまり強いイメージはありませんでしたが、雷門相手には大活躍です。
 実質新シュート技である「氷の矢」、初見殺し技である「ファイア弾道補正」を難なく止めてしまいました。やはり元祖最強というのは伊達ではなかったです。
  
 「ファイアトルネード」なんて必殺技を出すまでもなく止められてしまいましたし、雷門が円堂相手にゴールを割ることは果たしてできるのでしょうか。少なくともあと二点は取らなければいけないわけですが……。


「天竜」

 利根川東泉の二人組ストライカーが放った合体技。
 横文字の多いイナズマイレブンにおいては珍しい、二文字の必殺技です。無印1の「呪い」「怨霊」「残像」以来でしょうか?
 
 威力はそれなりに高いようで、のりかの「ウズマキ・ザ・ハンド」を破ってしまいました。
 無印一期から常々思っていたのですが、GKがわざと弱い必殺技を使う現象は一体どういう理由があるのでしょうか。原作と同じで強い技ほど消耗が激しいとか、強い技ほどモーションが長くて間に合わないことが多いのか、色々な考え方ができますが。



・弱小中学が準決勝へと登り詰めるまで

 利根川東泉のサッカー部は円堂が一から全て作ったというわけではなく、部員は一応最初から四人はいたようですね。
 部の創設に携わったのは、おそらく坂野上。足りない部員の勧誘も円堂ではなく、坂野上がやってくれました。

 円堂が強化委員としてこの学校に来たのは、どうやら本人の意志だったようです。わざわざこの無名中学に来た理由は、利根川東泉の置かれている状況が雷門に似ているから、とのこと。
 というのは利根川東泉が弱小だからお情けで来たというわけではなく、この学校が全国を目指せる力を持っていると思ったからです。
 それも、円堂とそっくりなガッツの持ち主である坂野上の存在が大きいのでしょう。部員からも「勧誘が強引すぎて断れなかった」と言われていますし、まさしく道のないところに道を作れるエネルギーを彼は持っていました。
 利根川東泉が円堂のおかげで成り立っているチームというのは間違いありませんが、その輪の中心にいるのは坂野上なのかもしれません。

 
 ちなみに利根川東泉の六豹条と狸ヶ原ぽん子は、イナズマウォーカーにおける「キャラクターコンテスト」という企画の応募から選ばれたキャラクターです。
 今回はぽん子の姿が見えませんでしたが、彼女が登場するのは来週からのようですね。次回予告を見た感じではかなり目立っていました。やっぱりあの狸の正体が……?



・キャプテンとは

 仲睦まじい利根川東泉とは対照的に、伊那国雷門は前日のピリピリした空気を引きずったままであり、喧嘩しまくりでした。
 何抜かれてるんだよとか試合中に言っちゃうの、いくらなんでもやばくないですか。万作は公式設定では「面倒見がよく頼りになる」と説明されていたはずなのですが……。
 これも全ては監督が離脱してしまったせいなのでしょうか。一応個人プレーにこだわったり悪態を突いたりしていた小僧丸も、キャプテンの一言をきっかけに剛陣との連携プレーを見せていました。

 円堂の「目標の人物になろうとするな」というアドバイスは、尾刈斗戦を思い出します。
 それを言われた道成は、かつて自分が伊那国島中のキャプテンに任命された時のことを思い出していました。キャプテンとして一番大切なのは心であり、お前はお前なりにやればいいと。
 ここまで監督っぽいことをやってる監督、この作品においては珍しすぎてやたらかっこよく見えました。ちなみに井本勝則という名前らしいです。


 雷門は今まで勝つことにこだわりすぎていたという話でしたが、予選最終試合の星章学園戦辺りでもめちゃめちゃサッカーを楽しんでいたと思うので、少し違和感がありました。まあ、少なくとも利根川東泉戦では今まで頼りにしていた監督がいなくなってしまったこともあって、プレッシャーがあったというのは間違いないかもしれません。
 尤も、その監督は今着ぐるみを着て戯れているわけですが。彼が道成に渡した手紙のことも考えると、これは道成をキャプテンとして成長させるための策だったのでしょうか。
 準決勝という大事な試合でなんてことを……まあ歴代のイナズマイレブンの監督はこのくらいのことはよくやっていましたが。

 「サッカーを楽しむ気持ちを忘れるな」とチームを鼓舞する姿は、まさしく精神的支柱。これが道成の辿り着いたキャプテンとしての在り方なのでした。



 前半が異様に長かった永世戦とは違い、今回はあっさり後半戦に突入しましたね。
 0-1で負け越している状態で相手GKは円堂。さらにDFの皮を被ったストライカーこと坂野上もまだ実力を発揮していませんし、絶望的な状況です。
 しかし、道成キャプテンが殻を破ってチームをひとつにまとめたことによって、雷門にも追い風が吹いてきました。今回の試合は彼が鍵となりそうですね。
プロフィール

ブログ管理人

Author:ブログ管理人
【好きなゲーム】
・イナズマイレブンGOストライカーズ2013
・科学ADVシリーズ
・大乱闘スマッシュブラザーズSP

【経歴について】
イナズマイレブンGOストライカーズ2013というゲームのオンライン対戦で、最終ランキング3位でした。今でも遊んだりゲームの考察を当ブログで落とすことがあります。
科学ADVシリーズは全作品プレイ済みで、CHAOS;CHILDについては三週しました。
スマブラはエンジョイ勢です。(スマメイト最高レート1600)

【最近取り扱っているコンテンツ】
週一で変な日記を書いています。

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